なつです。早くも折り返しです。ルール説明は第1弾の冒頭に…と省略したいところなんですが、今回ばかりはルール2について改めて強調しなければなりません。
それは「ABAでの実績を完全に除外する」という点です。今回、ネッツ、ペイサーズという、このルールに大きく影響を受けるチームが2チームも登場するので改めて説明します。
まずABAが何かについては深くは説明しません。70年代にNBAと人気を二分したエキサイティングなリーグという認識で取り敢えずOKです。
ABAのリーグとしてのレベルについては、諸説ありです。いずれにしても、この70年代のNBA、ABAは名選手が両リーグに分かれていた影響で、トップ層の実力はともかく、「リーグ全体では前後の時代のNBAよりレベルが低かった」とされることがしばしばあります。実力はともかく、NBAの人気が最も低迷したのも、この時期です。(まぁ、人気低迷の理由は他にもありますが…そちらについてはDENの項で触れます)
NYKの項で軽く触れましたが、私もこの見解には、それなりに同意しています。当時を知っているわけではないので、積極的に採用したい見解ではありませんが、決め手に欠ける場合には参考にするという程度ですね。
で、その後、ABAはNBAに吸収合併されるんですが、現在のNBAに残っているチームでは、ネッツ、ナゲッツ、ペイサーズ、スパーズの4チームがABAから参入したチームです。
この前情報を踏まえて、なぜABAでの実績を完全に除外するかというと…単に、この企画を始める前の私が面倒だと思ったからですね。完全に別リーグのことですし、比較が難しいんですよね。拍子抜けする程しょうもない理由です。
しかも、改めて一応上記4チームの選出を検討してる段階で、ABAでの実績込みで候補に入ったのがネッツのDr.J、ペイサーズのマクギニスとメル・ダニエルズ、フレディ・ルイス、スパーズのガービンくらいですし、なんならネタバレになりますが、ガービンはNBA参入後もスパーズにいた影響で、普通にNBAでの実績だけで選出されます。ギルモアやモーゼス・マローンといった他のスター選手に関しては、そもそもチームが合併段階で消えているので、選出になんら影響しませんでした。
ということでペイサーズ以外では「Dr.Jをネッツに含めるか」という点ぐらいしか影響が出ませんでした。びっくりだね!
そんなわけで、ペイサーズだけ悩む程度ですし、このルール廃止にしてもいいんですけど…。まぁ、言い出してしまったものは仕方ないので、継続です。
もし彼らを入れたい方は、誰を抜くかを検討しながら、下記のベスト5を見てください。
前置きが長くなりましたが、それでは行きましょう!
16.ダラス・マーベリックス(DAL)
PG ルカ・ドンチッチ Luka Doncic
SG ローランド・ブラックマン Rolando Blackman
SF マーク・アグワイア Mark Aguirre
PF ダーク・ノヴィツキー Dirk Nowitzki
C サム・パーキンス Sam Perkins
数多の球団記録を持ち、全フランチャイズを含めてもNo. 1と言えるほどのフランチャイズへの貢献度で、ぶっちぎりのマブス史上最高選手のダーク。
1年目にセンセーショナルな活躍で新人王に輝くと、以降2年目から6年目の23-24シーズンまで、現在も5年連続オールNBA 1st、AS選出を続けているルカ。
この2人は議論の余地なく選出です。そもそも、このフランチャイズでオールNBAに選出されたことがある選手は、彼ら2人含む3人しかいません(!?)し、その上でこれだけの内容なら当然です。
残りの3枠についてですが、80年代の中堅時代を長年支えた選手たちか、2000年代にダークと共にプレーした選手たちの中から選ぶことになります。歴史が比較的長くない上、90年代が弱すぎてほぼノーカンのため、候補はそんなに多くない…と思ったのですが…。このチーム、やたらと在籍年数が長く、かつオールNBA等ずば抜けた実績こそないものの、チームに欲しいような名脇役は山ほどいるんですよね。
とりあえず年代順に候補を並べていきます。まずは80年代後半の先発5人をまとめて紹介。87年の55勝などに貢献した選手たちです。
PGのデレック・ハーパー。11シーズン以上、チーム歴代3位の872試合に出場し、通算アシストとスティールも歴代1位。平均14得点6アシストに加え、オールディフェンシブ×2の守備の名手。
SGのローランド・ブラックマン。こちらも11シーズン865試合(歴代4位)と長期に渡って、平均20得点前後を記録する貢献。通算得点はチーム歴代2位。AS×3。
SFのマーク・アグワイア。チームのエーススコアラーとしてキャリアハイ29.5得点をはじめ、平均24.6得点5.7リバウンド3.8アシストを記録し、7シーズン半で566試合に出場。AS×3。
PFのサム・パーキンス。6シーズン471試合に出場。平均14得点8リバウンド、以上。
Cのジェームズ・ドナルドソン。6シーズン半、484試合に出場。平均8.8得点9.5リバウンドでAS×1。
はい。PFとCの2人を見て察したと思いますが、このフランチャイズ、ダーク以外のビッグマンにめぼしい選手が本当にいません。1年だけ所属し、優勝に貢献したタイソン・チャンドラーや、昨季ルーキーながらファイナル進出に貢献したデレック・ライブリー2世が候補に入るくらいですので、パーキンス、ドナルドソンは年数から見て妥当な候補です。
続いて、PGのジェイソン・キッド。新人から数年をDALで過ごし、新人王を獲得するも3年目途中に諸事情で放出。全盛期をPHX、NJNで過ごした後、2007-08に古巣復帰すると、2011年の優勝に貢献。8シーズンでAS×2。キャリア初期と晩年にしか所属しませんでしたが、平均10.5得点5.5リバウンド8.4アシストと無視できない実績です。
そのキッドとのトレードで入団し、ノヴィツキーのキャリア初期を支えた、というか時期によってはエースとして彼を引っ張ったのがSFのマイケル・フィンリー。9シーズン626試合、平均20得点前後を残し、AS×2。次に出てくるナッシュの退団後、翌年にはフィンリーもチームを去り、ダークのキャリアは次の時代に突入した印象です。
で、「ダークの相棒といえば」でお馴染みのナッシュ。後のMVPですが、DAL時代には6シーズン408試合で14.6得点7.2アシスト、オールNBA 3rd×2とAS×2。そう、先ほどしれっと「オールNBAに選出されたことがある選手が3人しかいない」と述べましたが、その最後の1人がナッシュです。
フィンリー退団の前年にドラフト入団、翌年彼の移籍を受けて台頭し、優勝直前の2009-10シーズン途中にトレードで退団したスウィングマンのジョシュ・ハワード。6シーズン半で平均15得点6リバウンドを残し、AS×1。
そして最後がJETの愛称でダラスのファンに愛されたSGのジェイソン・テリー。歴代屈指の3pt成功数を誇り、DALでは時にPGも務めながら、得点源として8シーズン619試合に渡って器用に活躍。07-08シーズンからはシックスマンに転身し、5年連続シックスマン賞投票ベスト3に入る活躍。08-09シーズンには同賞を受賞し、11年の優勝にも多大な貢献を果たしました。
というわけで、この割と横並びのメンバーの中から私が選ぶ3人は、SGブラックマン、SFアグワイア、Cパーキンスの80年代メンバーです。
まずガードについてですが、一番惜しかったナッシュはリストの中で唯一のオールNBA受賞歴を持ちますが、在籍期間が然程長くない。その上、キッドにも言えますが、シューターの役割も可能とは言え、メインポジションは当然PGです。その都合で除外しました。
個人的にかなり推したかったのはJETですが、流石に在籍年数とAS回数を考えるとブラックマンなのかと思います。
次にSFですが、アグワイアとフィンリーでかなり悩みましたが、最終的にはスタッツとAS回数を見てアグワイアで。ただ試合数等を考えると、フィンリーと入れ替え可能という印象です。
最後にマブス永遠の課題であるCですが、同時期にCとして出場していたドナルドソンよりかは、PF兼Cのパーキンスをコンバートする方がスタッツ的に強いかと思い、この選択。一応ドナルドソンって平均得点一桁でASに選ばれてるんですけどね。
また、ダークをC起用する案も考えましたが、豊富なSG、SFの層の中に、PFを任せられそうな選手が見当たらなかったので、どの道ビッグマン不足は解決しないということでボツ。
以上が、マブスのベスト5です。チャンドラーの愛弟子であるライブリーくんが、今後フランチャイズ史上最高のセンターになることを祈りましょう。
17.ブルックリン・ネッツ(NYN,NJN,BKN)
※ABA時代のニュージャージー・アメリカンズ(NJA←Aどっから出てきた?)、ニューヨーク・ネッツ(NYA←ABAのAか?)は含みません。NBA1年目のニューヨーク・ネッツ(NYN)は当然含みます。含んでも含まなくても、結果は変わりませんが。
PG ジェイソン・キッド Jason Kidd
SG ヴィンス・カーター Vince Carter
SF リチャード・ジェファーソン Richard Jefferson
PF バック・ウィリアムズ Buck Williams
C ブルック・ロペス Brook Lopez
偶然にも、球団の通算得点ランキングTOP 5が綺麗に並びました。先述の通り、ABAをカウントしない都合でDr.Jがいませんが、気になる方はジェファーソンと入れ替えてください。
このチームもNBA参入後の歴史自体は先ほどのマブスと大差なく、その上で強豪だった時期はマブスと比べるまでもなく短いので、候補は少ないです。てかほとんどが、キッド時代の選手です。
ここに載っていない候補では、90年に入団し、キャリア最初の5シーズン、348試合をプレーしたデリック・コールマンが一番惜しいと思います。オールNBA 3rd×2、AS×1のPFをメインとするビッグマンです。
しかし、PFではクライド・ドレクスラー時代のPORの2回のファイナル進出に貢献したことで知られる、バック・ウィリアムズの方がより傑出していると考えます。キャリア最初の8年間在籍し、ROY、オールNBA 2nd、オールディフェンシブ2nd、AS×3の活躍で、80年代の中堅時代を牽引しました。
また、センターには球団の通算得点数1位のブルック・ロペスがいます。ちなみにウィリアムズとは僅か4点差です。AS×1と目立った実績はありませんが、8年に渡り高いレベルで安定した成績を残し、絶望的な再建過程を歩み始めた2015年以降のネッツにおいても(最後に残したトレードの対価を含め)多大な貢献を果たしました。ちなみに彼が3ptを習得し、「スプラッシュ・マウンテン」の異名を取るようになるのは、BKN最終年の2016-17シーズンからです。
そのほか、PGのケニー・アンダーソンやデロン・ウィリアムス、SGのドラジェン・ペトロヴィッチ、2回のファイナル進出に貢献したドラフト1位PFのケニヨン・マーティン、そして記憶に新しいBIG 3のKD、カイリーの名前が挙がります。ペトロヴィッチはブレークから程なくして、事故により悲運の死を遂げ、球団の永久欠番になりましたが、あのまま彼のキャリアが続いていれば、実力で永久欠番になった可能性はあります。
サイトによってはKDが選出されていますが、個人的には年数を考慮してジェファーソンでいいのかなと思います。2021年ECSFは伝説的ですが、それでも結果としてはファイナルに進出したわけでもないので、年数を覆し得るだけの貢献には足りないかなという判断です。(まぁ、彼と、延いては彼の対価で獲得したミカル放出で獲得したアセットを考えれば、球団史上最も偉大な男になる可能性はあります)
18.デンバー・ナゲッツ(DEN)
※ABA時代(DNA←なんか遺伝子になってる)は含みません。
PG ラファイエット・“ファット”・リーバー Lafayette "Fat" Lever
SG デイビッド・トンプソン David Thompson
SF アレックス・イングリッシュ Alex English
PF カーメロ・アンソニー Carmelo Anthony
C ニコラ・ヨキッチ Nikola Jokic
どの媒体で見ても大体これです。惜しくも選外になった選手も少なく、23年のプレーオフで平均26得点と大活躍したヨキッチの相棒、ジャマール・マレー。メロのDENでの最盛期を支えたビラップス。あとはヨキッチ以前は最高のCだった後述のトンプソンの相棒ダン・イッセルや、DPOYを受賞しているマーカス・キャンビーくらいでしょうか。
一応メロとヨキッチ以外を紹介すると、ファットという本人的にどうなんだって感じの愛称で知られるリーバーは、イングリッシュと共に80年代に活躍。AS×2に加え、オールNBA 2ndとオールディフェンシブ2ndを1回ずつ受賞した守備を得意とするガードです。DENでプレーした期間はそれほど長くないので、そのうちマレーに抜かれるかもしれませんね。
トンプソンは大学バスケ史に伝説を残した選手。「スカイウォーカー」の異名通り、凄まじい身体能力を誇ったと言われます。ABA最終年にABAでキャリアを開始し、今回は評価に含めませんが新人王を受賞。翌年、チームのNBA編入に伴い、NBAキャリアをスタート。すると前年ABAで残したものと、ほぼ同じ成績を残し、若干22歳でオールNBA 1stに選出。翌年も1stに選出され、ASにも3年連続選出。
しかし、彼のキャリアは悪い意味で70年代のNBAを象徴するとされています。それは、彼が薬物とアルコール依存に溺れ、早々にスター街道を踏み外しただけでなく、プロキャリア自体を29歳という短命で終わらせたからです。それでも球団の永久欠番に選ばれており、マイケル・ジョーダンがバスケットボール殿堂入りの際のプレゼンターに指名するなど、彼が憧れる選手でもありました。
イングリッシュは80年代を代表するスコアラーであり、得点王1回をはじめ、DENでの10シーズンちょっとで平均25.9得点を記録しているスコアリング・モンスターです。35歳のシーズンでさえ26.5得点を記録しています。ヨキッチの登場以前にはDENの史上最高選手と呼ばれ、オールNBA×3、AS×8と受賞歴も中々です。
以上、DENは特に異論を挟む余地もないと思うので次に行きます。
19.インディアナ・ペイサーズ(IND)
※ABA時代(INA←やっぱABAのAだな)は含みません。ちなみに今更だけど、この表記はBasketball Reference さんしか使ってません。
PG タイリース・ハリバートン Tyrese Halliburton
SG レジー・ミラー Reggie Miller
SF ポール・ジョージ Paul George
PF ジャーメイン・オニール Jermaine O'Neal
C リック・スミッツ Rik Smits
冒頭でも触れましたが、このチームはABA時代を含めない影響をモロに受けるチームです。(ポール・ジョージの略ではなくポジション的な意味での)PG、PF、Cを見て貰えば、その辺の事情は透けて見えると思います。
ABAを含めるなら、PGはフレディ・ルイス、PFはジョージ・マクギニス、Cはメル・ダニエルズでほぼ確定です。
ただ、NBAだけとなると、特にPGとCは難航します。
まずPGについてですが、在籍僅か2年半でAS×2、オールNBA 3rd×1、アシスト王×1の現役エース、ハリバートン。彼を除けば、恐らくマーク・ジャクソンくらいしか候補がいません。INDではPG起用がほぼ0だったビクター・オラディポが候補に入るかもですが、彼が活躍した期間は、現役のハリバートンと大差ありません。
マーク・ジャクソンはINDで94-95、95-96の2シーズンを過ごした後、トレードされ、翌96-97シーズンの途中にトレードで呼び戻されるという異色の経歴を持っています。ジャーニーマンとしてのイメージが強い彼ですが、INDでは5シーズン半プレー。大体、平均8得点8アシストくらいを残しました。通算アシストがNBA歴代5位だけあって、IND時代も流石のアシスト数ですが、やはり昨季のインパクトだけでも、ハリバートンの方が上と言っても大きな問題はないように思います。
SGは球団史上最高選手のミラーで確定。SFも特に議論の余地なくPGことポール・ジョージで良いと思います。一応ダニー・グレンジャーやロン・アーテストも候補ですが、流石にPG相手では分が悪い印象です。
PFについてですが、ジャーメイン・オニールで良いのかなと思います。東が弱かった時代とは言え、8年の在籍中6年連続AS、オールNBA×3と実績は十分です。ちなみにPG同様にMIPも受賞していますが、INDでは他にジェイレン・ローズ、グレンジャー、オラディポが受賞しており、5人はORLと並んで最多受賞チームです。
最後にCですが、ここはいくつかの選択肢で悩みました。まずはミラーと共に12シーズン、867試合を戦ったスミッツ。センター全盛と言ってもいいかもしれない時代にあって、彼自身に目立ったところはありませんが、ASに1回選ばれています。
次に2010年代の強豪時代において、PGと共にチームのDFを作り上げたロイ・ヒバート。7シーズンでオールディフェンシブ2nd×1、AS×2。
現在まで9シーズン、570試合で活躍しているマイルズ・ターナー。オールディフェンシブに選ばれたことはありませんが、(DF全体の評価の議論はさておき)ショットブロッカーとしては優秀でブロック王を2回受賞。INDにおいて歴代ブロック数1位です。リーグを代表するストレッチビッグでもあり、イメージほど確率は安定していないものの、近年は1試合4本程度の3ptを撃ちます。
また、そのターナーと同時起用されPF起用も多かったのが、ハリバートンとトレードされたドマンタス・サボニス。5シーズン弱を過ごしたIND時代にAS×2の実績を誇ります。父に似て非常にパスが上手い、ターナーとは違う形の現代型センターです。
ここはかなり悩みましたが、通算試合数、通算得点数で共にミラーに次ぐ2位のスミッツを選出します。今後、ターナーがハリバートンの横で活躍を続けると、意外と上回るかもしれません。
こうして見ると、絶対的に華があるスーパースターはあまりいませんが、渋い玄人好みの選手を集めて、定期的に強豪を作り上げているところが、なんともINDらしいと思います。
20.ニューオーリンズ・ペリカンズ(NOH,NOK,NOP)
※ハリケーン・カトリーナの影響で一時的に、オクラホマシティを本拠地にしてた時期はニューオーリンズ/オクラホマシティ・ホーネッツ(NOK)でした。
PG クリス・ポール Chris Paul
SG ドリュー・ホリデー Jrue Holiday
SF ブランドン・イングラム Brandon Ingram
PF デイビッド・ウェスト David West
どうでもいい話ですが、個人的にペリカンズで好きなのはロンド、ホリデー、AD、カズンズとかいうロマン溢れるラインナップです。この年(2017-18)のカズンズ、平均ターンオーバー5と平均ファウル3.8は何事だよ。
話を戻してニューオーリンズ・ホーネッツ及びペリカンズの歴代ベスト5です。取り敢えず確定枠はCP3、ホリデー、ADでしょうか。CP3はホーネッツを、ADはペリカンズを、それぞれ代表する絶対的エースですし、受賞歴も一切文句のつけようがありません。
また、ホリデーについてはチームがイマイチ勝てないことで過小評価された時期もありつつ、7年在籍しオールディフェンシブ×2(1st×1)。歴史の浅いチームだけに、7年の在籍は大きいです。
残りの2枠、まず先にPFの話をしますが、ここはウェストでいいと思います。8年在籍し、CP3の入団以降は彼の横で活躍。2000年代後半のNOHにおいて2ndオプションでした。恐らく現状、フランチャイズ史上最強の時期に貢献しており、ASにも2回選出されています。
彼以外の候補としては当然ザイオン・ウィリアムソンの名前が挙がりますが…流石に実働年数不足ですね。気づけばキャリア5年、この夏24歳を迎えましたが、試合数は僅か184。プレーオフには出場したことすらありません(チームは2回出場していますが、彼は怪我で2回とも欠場)。契約額とドラフト前の期待に見合う活躍ができるか、今後に期待です。
最後にSFですが、候補は3人。まずは2002-03、03-04シーズンに在籍したジャマール・マッシュバーン。彼の場合、大きな二つの不運が足を引っ張っています。一つは彼自身が怪我により03-04シーズンの19試合を最後に、全盛期真っ只中で現役を引退してしまったこと。そしてもう一つが、彼本人にはどうしようもない球団の移転なんですよね……。
と言うのも、彼は「ホーネッツ」には2000-01シーズンから在籍しています。キッドらがいたDALでスコアラーとして活躍するも、仲違いから4年目にハーダウェイ、モーニングのMIAに移籍。そこで3シーズン半強豪チームに貢献するも、それは彼のポテンシャルを活かしているとは言い切れず。
そんな中、00-01シーズンにエディー・ジョーンズのサイン&トレードに巻き込まれる形で「ホーネッツ」に移籍すると、彼は平均得点を20点に戻し、スコアラーとしての輝きを取り戻し、チームも前年に近い勝率を維持。そして、プレーオフでは1回戦で古巣MIAをスイープする「恩返し」をかますと、ECSFではレイ・アレンのMILをGAME 7まで追い詰めました。翌01-02シーズンも1回戦を突破し…。
と、ここまで話しましたが、この2シーズン、彼が在籍した「ホーネッツ」は「シャーロット・ホーネッツ」。つまり、以前紹介した現「シャーロット・ホーネッツ」の歴史に含まれてしまう訳ですね。
同じ事情でバロン・デイビスも不遇であり、彼もシャーロット時代を含めれば、ともすればホリデーに勝っていた可能性はあります。とは言えルールはルールです。今回彼の評価に含まれるのは2002-03シーズンのみ。この年、彼はキャリアイヤーを送り、キャリア初のオールNBA 3rdとASに選出されました。その後の顛末は先述の通りです。
ちなみにFILAから発売された彼のシグネチャー・シューズは、グラント・ヒルやジェリー・スタックハウスのシグネチャー・シューズと共に、ここ数年で再販され、若者の間で人気を博しています。特にマッシュバーンは圧倒的に人気なイメージです。
次に紹介するのはSACでも活躍したペジャ・ストヤコヴィッチ。相変わらずビッグシューターとして活躍し、実働3年と怪我に苦しみながら、CP3の全盛期に3rdオプションとして56勝に貢献。
最後が、2024年8月8日現在もNOPに所属する(マレー獲得により移籍がほぼ確定とされるが、市場の停滞により、どうやら開幕はNOPで迎えそうな)イングラム。LALで3年間着々と成長し、平均18得点残した直後にADのトレードに巻き込まれ移籍。移籍してすぐ19-20シーズンに平均得点を23点に伸ばしMIPを受賞。ASにも選出されました。
長い手足と高精度のミッドレンジジャンパーを武器とし、ここまでの5年で素晴らしいスタッツを残しています。が、彼の場合はチーム状況が微妙です。同じタイミングで入団したザイオンが故障続きで計算できず、フロントもチームの方針を決めあぐねている印象。なし崩しでエースになった感のあるイングラムは、26歳のシーズンを終えてプレーオフは僅かに2回。1回戦を突破したこともありません。21-22シーズン途中にベテランのCJ・マッカラムを加えたあたり、チームは数年前から「今、勝ちにいく」つもりであること自体は明確であるのに、結果が伴いません。(一応23-24シーズンは49勝とCP3退団以降では最高勝率ですが)
イングラムとザイオンの相性が良いとは言えず、優勝するためにはザイオンに全て賭けるしかない。「イングラムをSGとして出すより、彼を放出してトレイ・マーフィー3世、ハーバート・ジョーンズを先発させるべきだ」という意見も最近はよく聞かれます。(まぁ、マレーを獲得した影響でCJがメインポジションの2番に戻るので、どのみち悩みの種は残りますが)
一方で、「いないザイオンより、いるイングラム」というような意見も(今や優勝に繋がらないとわかりきっている上に、なんやかんやで長くあったはずのコンテンドできる期間が気づけば短くなっているので)少数ですが聞こえてきます。
話が歴代ベスト5から逸れましたが、とにかく現時点ではかなり評価の分かれる選手です。
まとめると、
・カウントされるのはたった1年だが、チームのエースとしてオールNBA級の活躍をし、整っているとは言えない陣容のNOHをプレーオフに導いたリーダーのマッシュバーン。
・怪我で実働は3年だし、3rdオプションのロールプレイヤーとしてではあるが、チームが最も強かった時期を支えたペジャ
・チームとしての結果は伴わず、全盛期を迎えていながら放出寸前だが、スタッツ、在籍年数の掛け算では群を抜いて上回っているイングラム
ということになります。
この3人から私が選ぶなら、そうは言ってもイングラムですかね。マッシュバーンを選びたい気持ちはありますが、やはりイングラムが5年間で残した攻撃面でのスタッツは無視できません。
ということで、全30チームの中でもぶっちぎりに最近の選手で構成されたベスト5が完成しました。多分、CHAには勝てるくらい強いと思います。なんならINDにも勝てるか?
これで20チームの選出が完了しました。残りは10チーム。次回はPistons,Raptors,Rockets,Spurs,Sunsの5チームです。ぶっちゃけると、ラプターズは選択肢ないし、ロケッツ、スパーズもほぼ確定しているので、悩むのは2チームだけです。
次回はサクッと終わるといいな!今回はやっぱり、やる前からわかってたけど前回と同じくらい長くなってしまったので。
それではまた次回!