おはようございます。なつです。この記事を書き始めたのはパリ五輪準決勝、アメリカ対セルビアのハーフタイムです。フランスがドイツを破った直後で、過去2戦(日本、カナダ)ほどではありませんが、審判関係でプチ炎上してますね。またか…。
あと今回紹介する5チームからはPHXの2人(KDとブッカー)しかアメリカ代表に参加してないっぽいです。なんせ今回紹介する5チーム中4チームが再建過程です。(HOUは怪しい)
余談は置いといて、早速本題に行きましょう。例によってルールはPart 1冒頭にあります。
21.デトロイト・ピストンズ(FTW,DET)
PG アイザイア・トーマス Isiah Thomas
SG ジョー・デュマース Joe Dumars
SF グラント・ヒル Grant Hill
PF デニス・ロッドマン Dennis Rodman
C ベン・ウォレス Ben Wallace
前身のFTWについては特に語ることがないので省略。まず、DETを語る上で欠かせないのは1988-89、89-90のバッドボーイズによる2連覇。そして多くの他球団ファンに忌み嫌われたバッドボーイズに対し、未だに多くのNBAファンに愛されているのが2003-04に優勝を果たし、その前後に6年連続ECF進出を果たしたチーム。
基本的には、これら2チームからの選出になると思います。もちろん、その他にも候補はいますし、70年代のエースセンターであるボブ・レイニア。90年代後半にリーグNo. 1 SFとして君臨したグラント・ヒルなどが、挙げられます。
取り敢えず一旦候補を並べましょう。まずはガードから。
言わずと知れたバッドボーイズの心臓、球団史上最高の選手であるアイザイア・トーマス。出場試合数はチーム歴代2位、得点、アシスト、スティールで歴代1位です。オールNBA×5(1st×3)、AS×12、アシスト王、FMVP。文句なしの選出です。
歴代屈指のディフェンダー、バッドボーイズ唯一の良心ことデュマース。出場試合数は1位で、オールディフェンシブ×5(1st×4)、AS×3。実はトーマスより先にFMVPを受賞しています。
2000年代の強豪時代からは、安定した司令塔であり、優れたシューターであり、頼りになるリーダーであり、クラッチタイムでは誰より恐ろしい「Mr.Big Shot」チャウンシー・ビラップス。オールNBA×3、オールディフェンシブ×2、AS×4そして2004年のFMVP。
ガードは変則の3ガードでも採用しない限りは、この3人から2人を選ぶことになります。00年代のSG、「Rip」ことリチャード・ハミルトンもAS×3の素晴らしい選手ですが、流石に上記3人に比べると見劣りします。
まずトーマスは先述の通り確定枠です。球団史上最高なので当然。その上でデュマースとビラップスのどちらを選ぶかですが…ビラップスが好きなので心苦しいですが、それでもやはりデュマースを選出します。
一番の理由はやはりポジション。ビラップスにSGもやれないことはないでしょうが、正規のSGとして活躍したデュマースを押し退けてまで、ビラップスを選出するには、(ビラップス自身は十二分に素晴らしい実績ですが)デュマースが達成していることが大きすぎます。
続いてフォワード。まずはロッドマン。彼はSF、PFとしてプレーしたDETでの7シーズンでオールディフェンシブ×5(1st×5)、DPOY×2、リバウンド王×2、AS×2。間違いなく選出されます。
グラント・ヒル。先述の通り90年代後半に活躍した大人気選手で、キャリア最初の6シーズン在籍。新人王を皮切りに、オールNBA×5(1st×1)、ASには新人ながら最多得票で初選出されると、以降ASが開催されなかった98-99シーズン以外は毎年、計5回選出。こちらも実績としては群を抜いています。
他の候補としては00年代の守備の名手テイショーン・プリンスがおり、こちらはオールディフェンシブ2nd×4。しかし、流石に上記2人の方が勝るでしょう。あとはラシード・ウォレスや、(歴代で一番好きな選手なので一応名前だけ出しますが)ブレイク・グリフィンらがいます。
最後にCですが、主な候補は3人。70年代のエース、ボブ・レイニア。9シーズン半にわたってエースを務め、その間平均22.7得点11.8リバウンドと、攻撃面では他2人の候補を圧倒的に上回っています。ASには7回選出。当時はオールNBA 3rdがなく、かつジャバーが常に1枠を取っていたこともあり、オールNBA受賞歴こそありませんが、MVP投票3位、4位に1回ずつ入っています。
ちなみに、彼は1970年のドラフト1位ですが、彼の後には2位でこの後HOUで登場するトムヤノヴィッチ、3位はATLとUTAで触れたマラヴィッチ、4位はBOSのコーエンス、5位はSACで名前を挙げたサム・レイシー、2巡目の1番目に当たる18位では、この後HOUで名前を挙げるマーフィー、19位ではSACで名前を挙げたアーチボルドなど、今回の企画で見る名前が目白押しです。70年代全体が目立たないだけで、実は割と豊作ではあります。
次はバッドボーイズのビル・レインビア。12シーズン半をDETで過ごし、不動のCとして活躍。平均13.5得点10.1リバウンドでASに4回選出。
最後の一人が、歴代最強クラスの守備型C、ベン・ウォレス。ヒルのトレードで獲得されたドラフト外選手は、DETでの9シーズンで平均6.6得点と攻撃面では圧倒的にリストの中で最弱。しかし、守備面ではリバウンド王×2、ブロック王×1をはじめとする活躍。オールディフェンシブ×5(1st×5)、そしてなんとDPOY×4。現在まで4回の受賞者はディケンベ・ムトンボ、そして昨季達成したルディ・ゴベアがいますが、1球団で達成したのは彼だけです。今回のCのリストの中では唯一オールNBAに選出されており、その数5回。
彼ら3人の中から私が選ぶのは、ベン・ウォレス。00年代の強豪DETの脳がビラップスなら、心臓はベン・ウォレスです。結構な数のメディアがレイニアを選んでいますが、個人的には最初から彼を選ぶ気満々でした。
理由としては単に彼がそれだけ歴代でも特異な存在というのもありますが、一応後付けで考えるなら、レイニアが活躍した時代が、しばしば触れている「70年代」だからというものがあります。が、これに関してはそれほど重要視していませんし、単にベンの方が好きだし、受賞歴で上回っているからと捉えてくれて構いません。
そんなわけで、超ディフェンシブなラインナップが完成。DF強度はほぼ間違いなく30球団最強。デュマース、ロッドマン、ベンのDFは悪夢でしかありませんね。この泥臭さ、DFの強さは球団を飛び越え、街としてのDETのカルチャーですね。
……すみません、ここまでドラモンドのことを完全に忘れてました。どの道、ベンとレイニアの2択ではありますが。
22.トロント・ラプターズ(TOR)
PG カイル・ラウリー Kyle Lowry
SG ヴィンス・カーター Vince Carter
SF カワイ・レナード Kawhi Leonard
PF デマー・デローザン Demar DeRozan
C クリス・ボッシュ Chris Bosh
先に言っておきますが、多分この5人以外に選択肢がありません。変えるところがあるなら、身長順を考えてカワイとデローザンのポジションを入れ替えるくらいです。カワイはキャリア全体でほぼPF起用はなく、デローザンもTOR時代に関してはSFどころか寧ろSGメインだったのですが、SAS移籍以降のキャリアでPF起用が多いので、このポジションにしています。
球団の歴史が非常に短い上に、この5人が突出しています。
同じ95年にエクスパンションで発足したグリズリーズが、僅か6シーズンでバンクーバーから去るなど、カナダでのバスケ人気が低かった時代。98年に入団したカーターは、そのセンセーショナルなスタイルと活躍で、一躍注目の的になりました。特に2000年のダンクコンテストは伝説です。彼の実力もあり、2000年には創設5シーズン目でプレーオフに進出し、2001年にはECSFでアイバーソン率いるPHIとGAME 7まで渡り合う熱戦を演じるなど、球団草創期において、今なお「カナダ唯一のNBAチーム」が存続するための礎を築きました。
ボッシュはカーターと入れ違いで活躍した選手で、2000年代のラプターズを牽引しました。東のフロントコートが弱い時代とは言え、器用なスキルセットを活かしたビッグマンとしてASに5年連続選出。更にはPF全盛期と言える2000年代にあって、4年目の若干22歳にしてキャリア唯一のオールNBA選出である2ndチームへの選出を果たしました。
ボッシュの退団後、2010年代にTORを「東の強豪」に押し上げたのがラウリーとデローザンのバックコートデュオです。2人が活躍した13-14シーズンから17-18シーズンまで5年連続でプレーオフに進出。
シュート力とゲームメイク力、PGに求められる能力を全て高いレベルで安定して持ち合わせていたラウリーはASに6年連続選出。オールNBA 3rdにも選出。
抜群の身体能力と、高精度のミッドレンジを武器とするスコアラーのデローザン。こちらはASに4回選出され、オールNBA 2ndと3rdが1回ずつです。
2017-18シーズンには球団史上最高の59勝で球団史上初の第1シードにもなりました…が、このプレーオフ、ECSFで化け物になっていたレブロンとあたりまさかのスイープ敗退。3年連続でCLEに破れ、しかも2年連続スイープを含む2勝12敗という惨憺たる有様に様々な蔑称が生まれました。
そして、その直後のオフ。フランチャイズプレイヤーであるデローザンとの(TOR視点では)NBA史に残る大博打トレードで入団したのが、SASでエースをやっていたカワイ・レナードです。しかも、彼は前のシーズンを怪我でほぼ全休しています。そんな彼とエースをトレードしたのです。
その上、彼の契約は、たった1シーズンで切れますし、事実、彼は次の夏に出て行きました。それでも彼は当然このリストに載りますし、人によってはTOR史上最高の選手と呼びます。(流石に言い過ぎだと思いますが)
具体的に何をしたかは、皆さんご存知だと思うのでサクッと済ませますが、彼は伝説的なプレーオフランを見せ、TORに史上初の優勝をもたらしました。特にPHIとのECSF、GAME 7で見せたシリーズの勝利を決めるブザービーターはNBA史に残る名シーンです。
そんなわけで、この5人は29シーズンの歴史の中で、ずば抜けた存在です。
23.ヒューストン・ロケッツ(SDR,HOU)
PG カルヴィン・マーフィー Calvin Murphy
SG ジェームズ・ハーデン James Harden
SF トレイシー・マグレディ Tracy McGrady
PF モーゼス・マローン Moses Malone
C アキーム・オラジュワン Hakeem Olajuwon
確定枠はハーデン、マローン、オラジュワンです。3人ともMVPを受賞し、時代のトップ選手として名を残した殿堂入り選手と殿堂入り確定選手です。ビッグマンでは他にヤオ・ミンやドワイト・ハワード、キャリア初期のエルヴィン・ヘイズなどがいますが、マローン、オラジュワンには敵いません。
残りの2枠を争うのはガードではカルヴィン・マーフィーとクライド・ドレクスラー。フォワードではルディ・トムヤノヴィッチとT-Macことマグレディになります。
まずガードについて。マーフィーは70年ドラフトでSDRに入団すると、HOU移転の2年目以降も引退する1982-83シーズン終了まで1002試合をロケッツ一筋でプレーしました。キャリア平均17.9得点4.4アシストで、シーズンによっては21.0得点7.3アシストのコンボガード、またSGにコンバートしたシーズンは25.6得点を記録するスコアリングガードとして柔軟に活躍しました。特筆すべきは175cmとNBAの歴史でも稀にしか見ない低身長と、通算で89.2%を誇る高精度のフリースローです。後者に関しては歴代3位の78本連続成功、28年破られなかったシーズン成功率95.8%などの記録を残しています。
POR史上最高の選手として知られるドレクスラーは、HOUが優勝を果たした93-94シーズンの翌年、94-95シーズンのトレード・デッドライン(TDL)にNBA史に残る衝撃のトレードで入団しました。そして、シーズン後半戦、イマイチ軌道に乗り切れず47勝に終わったHOUの補強は失敗…かと思いきや、下位シードで進出したPOで、60勝のUTAに1-2、59勝のPHXに1-3と、それぞれ王手をかけられながら大逆転勝利。WCFで62勝のSASを4-2で降し、これで第3〜第1シードを順番に撃破したことになります。ファイナルでは若きシャック&ペニーを擁し、57勝を挙げたORLを下馬評を覆すスイープで降し、連覇を果たしました。この一件はしばしば「TDL史上最高のトレード」と呼ばれます。
ドレクスラーのHOUでの活躍は、この後も3シーズン続き、ASに2回選出されますが、バークレーを加えた最後の2年も含め、ファイナルに進出できずに終わりました。
マーフィーの強みは、その圧倒的な継続性。ヘイズの時代からマローンの時代へ。ASこそ1回ですが、多大な貢献を見せました。キャリアの大半をプレーしたのがチームの過渡期であったため、優勝等目立ったプレーオフ実績はありませんが、シーズン負け越しからファイナルに進出した81年にはマジック&ジャバーのLALやジョージ・ガービンのSASを破る上で大きな役割を果たしています。
ドレクスラーの強みはなんと言っても優勝への貢献。そして単純な実力なら、全盛期を過ぎたキャリア晩年のHOU時代でもマーフィーを上回っている点です。また、リーグのレベルもマーフィーのキャリアの大半を占める70年代よりも90年代後半の方が高いです。
その上で今回はフランチャイズプレイヤーである、マーフィーを選出しました。正直どちらを選んでも問題はないと思います。
で、SFの枠はマーフィーの同期であるトムヤノヴィッチ、そして稀代のスコアラーT-Macで争うことになります。
トムヤノヴィッチについては、マーフィーよりキャリアが2年短く、最終年である81年のファイナル進出にそれほど貢献していない点を除けば、基本的にチーム状況は一緒です。AS×5で、度々20得点を記録するなど、キャリア平均17.4得点8.1リバウンドと11シーズン安定した活躍でした。ちなみに優勝を果たした93-94、94-95シーズンはHOUのヘッドコーチを務めています。彼の球団への最大の貢献はこれですね。今回はカウントしませんが。
対するT-Macは5シーズンとそれほど長くない在籍期間で、しかも303試合と欠場が目立った選手ですが、その間にオールNBA×3、AS×4と相変わらずリーグトップクラスのスコアラーとして活躍。地味に在籍期間で平均4.7アシストを記録していたり、この手のスコアラーのイメージに反してTOVが少なかったりと、ポイントフォワードとしても上々です。
ただ、彼の弱点として挙げられるのが上記の試合数の原因にもなっている怪我。そして、一部はその怪我に起因するプレーオフ戦績の悪さです。彼自身がレギュラーシーズンを長期間欠場したり、プレーオフを丸ごと欠場した年もあります。また、彼の相棒であるヤオ・ミンはマグレディ以上に欠場が多く、彼ら2人が揃ったプレーオフシリーズは2つしかなく、マグレディは1回戦を突破したことがありません。まぁ、トムヤノヴィッチも別にプレーオフを勝ち進んでいませんし、そもそもエースというタイプでもないので、今回の評価には特に関係しなさそうではあります。
ということで、二者を比較しましたが、どちらを選ぶかと言われると、T-Macですかね。流石にピーク時の実力と時代背景を踏まえた受賞歴が違いすぎます。
24.サンアントニオ・スパーズ(SAS)
※ABA時代(SAA)は含みません。
PG トニー・パーカー Tony Parker
SG ジョージ・ガービン George Gervin
SF カワイ・レナード Kawhi Leonard
PF ティム・ダンカン Tim Duncan
C デイビッド・ロビンソン David Robinson
6th マヌ・ジノビリ Manu Ginóbili
TORと似てはいますが微妙に違う理由で、あまり悩む余地がないチームがSASです。歴史はそれなりにありますが、各ポジションの選手がぶっちぎりすぎるんですよね。長年活躍した選手が多く、長期的な成功を収めたフランチャイズというのが大きいです。それもこれもダンカンとかいう、全盛期がリーグNo. 1選手と怪物すぎる上に、長寿性まで兼ね備えている選手がいたからですが。ガービン以外は彼としっかりプレーしてますからね。
わざわざ選手成績やシーズン成績並べるのも面倒なので各自調べてください。
黄金期のファンが一番気にするのは、SGはジノビリじゃないのかというところでしょうし、ガービンについてだけは説明します。ABA時代からスパーズに在籍し、NBA参入後も9シーズン在籍。その怪物スコアラーっぷりはNBA2年目、24歳で完全開花。NBA入り以来、9年連続AS、7年連続オールNBA選出、うち2年目からは5連続の1stチーム。2年目から4年目までの3年連続を含む4回の得点王。
この実績を見れば、流石にジノビリより優先せざるを得ません。ということで、ジノビリはシックスマンとして選出です。企画の趣旨からは外れますが、仕方ありません。(テリーもこれで良かったのでは?)
で、一応SFのカワイだけは対抗にブルース・ボウエンがいます。7年連続オールディフェンシブ(1st×5)で3回の優勝に貢献した元祖3&Dにしてダーティプレイヤーです。が、流石にカワイが上で良いと思います。
カワイはエースになってから僅か2シーズン後、怪我で長期の離脱となり、それに端を発してパーカーと揉めたりして、早々に移籍しました。しかし、在籍7シーズン(実働6年)でオールNBA 1st×2、オールディフェンシブ×4(1st×3)、そしてDPOY×2と2014年のFMVP。こう並べるだけで十二分な実績ですね。
ということでSASはこれで決まりです。
25.フェニックス・サンズ(PHX)
↑今更だけど略称ってPHX、PHOどっちなんだ?楽天だとPHXだし、私もそっちを使うことが多いですが、結構PHO表記も見かけます。
PG ケビン・ジョンソン Kevin Johnson
SG スティーブ・ナッシュ Steve Nash
SF ショーン・マリオン Shawn Marion
PF チャールズ・バークレー Charles Barkley
C アマレ・スタウダマイヤー Amar'e Stoudemire
取り敢えず先にフロントコートの話からします。確定している枠は92-93シーズンにMVPも受賞しているPFのバークレー。
次にCですが、チームの歴史を見ると、割と層が薄いです。その中で、本来のポジションはPFながらマイク・ダントーニのアップテンポなスタイルの要として多くの時間をCとしてプレーし、ナッシュ時代のチームのリーディングスコアラーとなったアマレの存在感が際立ちます。抜群の機動力でナッシュとの相性も抜群。従来とは違うセンター像を確立し、オールNBA×4(1st×1)、AS×5と活躍しました。
そしてSFについてですが、アマレと同じ2000年代からマリオンを選出します。今回調べて
「私が歴代で一番過小評価していた選手はマリオンなのでは?」
と思いました。201cmでありながら、208cmのアマレに代わってチームNo. 1のリバウンダーを務め、平均18得点10リバウンドを残しました。ASにコーチ推薦3回を含む4回出場し、オールNBAも2回。オールディフェンシブチームに選出されたことはありませんが、DPOY投票4位、5位、7位など、DFでの評価も高いです。
そのほかの候補として殿堂入り選手であるウォルター・デイビスがいます。球団の歴史では、ケビン・ジョンソン、バークレーらがいた90年代や、ナッシュがいた2000年代後半の方が人気や知名度はありますが、80年代のPHXもしっかりと強豪ないし中堅でした。
デイビスはSG、SFでプレーするスウィングマンであり、1年目に平均25得点を残し新人王を受賞。その後もPHXでの11シーズンでオールNBA×2、AS×6と長年チームを支えました。この辺の経歴は完全にマリオンを上回っています。しかし、在籍時のチームにおける重要度や、チーム自体の強さを考慮して、マリオンを選出しています。
満を持して、問題のバックコートです。このチーム最大の問題は歴代レベルのPGが3人も在籍していたことです。しかも、3人が3人とも、スコアリングよりもゲームメイクを優先する、アシスト数の多い所謂「司令塔」型であったため、並べた時の違和感がすごいんですよね。
とは言え、バックコートをこの3人から2人選ぶほかないというのが現状です。そのくらい3人の存在が群を抜いています。ポジションがどうしても気になる方は、SGにデビン・ブッカーかダン・マーリー、もしくは先述のデイビスを入れておいてください。
で、問題の3人というのがKJことケビン・ジョンソン、ジェイソン・キッド、そしてスティーブ・ナッシュ。
まず、確定枠はナッシュです。2回のMVPと、球団史上最高の時代を作り上げた伝説的司令塔という点で説明は事足りる気がします。キャリア最初の2年をPHXでキッド及びKJの控えとして過ごしていますが、その2年を除いた古巣復帰後の平均アシスト数は8シーズンで10.9アシストです。なんだコイツ。
ちなみに歴代屈指の優れたシューターの証である50-40-90を4回達成しています。なんだコイツ。
残りの1枠をKJとキッドで争うことになります。KJはトレードでのPHX移籍でチャンスを得て一気に開花。先発PGに定着すると、翌年MIPを受賞し、以降の11シーズンでオールNBA×5、AS×3と、90年代を代表するPGとして活躍。強豪時代を牽引したリーダーであり、人格者としても知られ、カルチャー面でのフランチャイズへの影響も大きかったとされます。一方で長年怪我に苦しみ、キッドの獲得からほどなく入れ違いで引退。
キッドは3年目の96-97シーズン途中にトレード入団すると、翌年は2年ぶりのAS選出。そして更に翌98-99シーズンから2000-01シーズンまでの僅か3シーズンで、彼はリーグNo. 1 PGとしての地位を完全に確立。3年連続でオールNBA 1st、オールディフェンシブ(1st×2)に選出されました。その後はプライベートのスキャンダルがきっかけで、NJNにステフォン・マーブリーとの交換で放出され、そこでもリーグNo. 1の活躍。一方のPHXは3年ほど足踏みすることになります。(まぁ、04-05シーズンにナッシュが加入して、また伝説級のPGが生まれるんですが)
こうも時代を代表するPGが途切れない(マーブリーについてはノーコメント)チームってなんなんですかね。
KJとキッド、どちらを選ぶかですが、今回はKJでいきます。確かにピークはキッドの方が上ですが、試合数に倍近い差がありますし、何よりKJはPHXというフランチャイズにとっては、語弊を恐れずに言えばバークレーよりも重要な選手です。
以上、PHXでした。2人の司令塔の役割被りは気になりつつ、彼らから歴代クラスのフィジカルと身体能力を誇るフロントコートにパスが飛び交うところは、見ていてかなり面白そうです。
そんなわけで25チームが終了。残り5チームです。今回はかなり楽だった印象です。次回、最終回はマジックと同じ理由で難しいチームが出てくるのですが…。次回はThunder,Timberwolves,Trailblazers,Warriors,Wizardsの5チームです。
ぜひ最後まで、よろしくお願いします。なつでした。