なつブログ

野球、アニメ、ゲームなど様々なことを思いつくまま書きます。不定期更新。

NBA 各チームのAll Time Starting 5を考える会⑥ Thunder,Timberwolves,Trailblazers,Warriors,Wizards編

 お疲れ様です、なつです。過去5日連続で更新してきた企画は早くも最終回。誰も読まないまま、駆け抜けてきてしまいました。そんで今回だけは諸事情により、結構間が空いてしまいました。

 そんなわけで、今回はOKC(SEA)、MIN、POR、GSW、WASの歴代ベスト5紹介していきます。なお、ルールについては第1回冒頭をご確認ください。

 

26.オクラホマシティ・サンダー(SEA,OKC)

※メディアによっては別のチームとしてカウントしていますし、球団の歴史としても統合されているわけではありませんが、今回はシアトル・スーパーソニックス(SEA)を含みます。

 SEA時代の実績や歴史関係の権利は現在もシアトル市に帰属しており、度々持ち上がる32球団構想に際してラスベガスの新球団創設と並び、SEAの復活は話題になっています。ゲイリー・ペイトンらOBも活動しており、将来的には完全に別個の球団になるかも知れませんが、今回は取り敢えず同一チームと看做します。

 この記事の最後にオマケとして、SEA、OKCそれぞれ単独のチームも記載しておきます。

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PG ラッセル・ウェストブルック Russell Westbrook

SG ゲイリー・ペイトン Gary Payton

SF ポール・ジョージ Paul George

PF ケビン・デュラント Kevin Durant

C ショーン・ケンプ Shawn Kemp

 

 前置きが長くなりましたが、今回のベスト5はこちら。先に言っておくとSFの枠は未だに納得行ってないので、自由に動かしていいです。LALと並んで、選出後もしっくり来てないチームがOKCです。

 確定枠についてですが、どの順番で並べるかはさておき、球団トップ3選手のラス、ペイトン、KDです。(個人的にはラスがフランチャイズ最高だと思います)

 90年代の強豪時代を牽引した歴代トップ5には入ると思われるディフェンシブガードのペイトン。(93年にペイトン時代初の50勝以上である55勝を挙げて以降、63勝、57勝、64勝、57勝、61勝はヤバすぎる)

 2010年代、いやNBAの歴史を代表するPGにして、Mr.トリプルダブル。OKCの魂と呼べる存在、ラスことウェストブルック。KDと共に2012年のファイナル進出をはじめ、王朝時代のGSWを土俵際まで追い詰めるなど活躍。そのKDの「裏切り」の後も全身全霊でOKCに尽くし、2017年にMVPを受賞。彼こそがOKCの象徴であり、最もファンに愛された選手でしょう。

 そのラスと2010年代の強豪時代を作り上げた、レブロン、カリーに次ぐ時代No.3選手にして歴代最高級のスコアラーKD。ピーク時の実力やキャリア全体の達成度で言えば、ペイトン、ラスさえ凌ぐ歴代トップクラスの怪物SFです。が、「あーあ、『ペイトン、ラスさえ凌ぐ』とか言ったら一定数にぶちのめされるんだろうなぁ」とか思ってしまうくらいには、OKCファンには嫌われています。ていうか一時期はNBAの歴史上最も嫌われた選手でしたし。理由はご存知、FAでOKCを去ると共に選んだ移籍先が、よりにもよって(直前のプレーオフで負けた)黄金期真っ只中のGSWだったからですね。

 兎にも角にも3人は確定。その他の候補を時代順に見ていきましょう。 

 球団創設直後の70年代前半に活躍したPFがスペンサー・ヘイウッド。5シーズンで平均24.9得点を残し、オールNBA×4(1st×2)。在籍年数の短さと、活躍した時代が多くの有名選手がABAに在籍した70年代という点がネックですが、受賞歴自体はこのリストの中でもトップクラスです。

 実はソニックスは1回だけ優勝しています。時代が古いのもあって、あまり語られることはありませんが、ヘイウッド退団から程なくして、1978年にファイナルに進出しブレッツ相手に3-4で敗退すると、翌79年に同カードとなったファイナルを4-1で制して優勝しています。そのチームから候補は…正直あまりいないんですよね、これが。

 もちろん彼らは素晴らしいチームであったでしょうが、このチームには特筆すべきシーズンを送った選手はおらず、時代を代表するスーパースターと呼べる選手はいません。

 そのチームの中心選手がガス・ウィリアムズ。在籍6年で平均20得点を超えるスコアリングPGで、移籍2年目に優勝を果たし、その後もオールNBA×2(1st×1)、AS×2とチームを牽引しました。

 もう一人名前を挙げるならば、このチームに所属した若き日のジャック・シクマでしょうか。彼は78年に新人ながらファイナル進出に貢献し、翌79年には2年目にしてAS初選出と優勝を果たしました。SEAには85-86シーズンまで在籍し、2年目から7年連続ASに選出されています。オールディフェンシブも1回受賞しています。ちなみに彼の息子、ルーク・シクマもバスケットボール選手で、2023-2024シーズンはギリシャ1部オリンピアコスに所属していました。

 そして、上記のヘイウッドの時代、ガスらの時代を通し、SEA一筋で71-72シーズンから83-84シーズンまでの13シーズンを戦ったコンボガードがフレッド・ブラウン。キャリアを通して平均14.6得点2.7リバウンド3.3アシストと目立つことはなく、ASも23.1得点を残した76年の一度きり。しかし、球団初期のチームを支えた功績は確かに偉大なものです。ちなみにNBAが3ptラインを導入した最初のシーズンで成功率1位だったのが彼です。

 時代は90年代に飛び、ペイトンの時代が始まります。ペイトンの相棒と言えば、当然PFのショーン・ケンプです。208cmの強靭な肉体に化け物じみた身体能力を併せ持った、歴代屈指のダンカー。強豪時代のインサイドの要としてリバウンドとダンクを量産し、オールNBA 2nd×3、AS×5と実績も抜群。通算リバウンドはシクマに次ぐチーム歴代2位。なんかケンプと200くらいしか離れてない3位にラッセル・ウェストブルックとかいう名前が見えるのは気のせいですよね?

 ケンプと共にペイトンの時代を支えたのがSFのデトレフ・シュレンプ。得点、リバウンド、アシストと役割を高水準でこなし、ソニックスの黄金期創出に貢献しました。SEAではオールNBA 3rd、AS×2。

 続いては00年代。98-99シーズンにドラフト入団し06-07シーズンまで在籍したSFのラシャード・ルイス。9シーズンで着々と成長、208cmの大型シューターとして大成し、04-05シーズンには初のASに選出される活躍で、レイ・アレンの横で52勝に貢献。

 そのレイ・アレンは既にAS選手だった02-03シーズン途中にトレードで入団すると、以降4年連続でASに選出され、04-05シーズンにはオールNBA 2ndに選出。

 ラス、KDの時代からは、彼ら(とハーデン)と共にチームの未来を担うと期待され、事実強豪時代をタフに支えたPFのサージ・イバカ。7シーズンプレーし、ブロック王に2回輝くと、3年連続オールディフェンシブ1stに選出。DPOY投票では2位、3位、4位と、短い間でしたが時代を代表するディフェンダーとして活躍しました。

 KDやイバカの退団後、16-17シーズンにラスがMVPシーズンを過ごす奮起を見せると、彼を救う2番手のスーパースターとして獲得されたのがPGことポール・ジョージ。在籍は僅か2年ですが、2年連続オールNBA、ASに選出。特に2019年はキャリア唯一のオールNBA 1st(MVP投票3位)に加え、オールディフェンシブ1stに選出。DPOY投票で4位、3位と攻守に貢献しました。しかし、チームは2年連続プレーオフ1回戦敗退。全盛期のレブロンを追い詰めたIND時代前半から一転。「プレーオフで勝てない選手」というイメージを抱えることになりました。

 そのPGとの、近年ではもっぱら「史上最悪クラスのトレード」の一つと言われるトレードでLACから入団したのがSGAことシェイ・ギルジャス・アレクサンダー。現在進行形でエースを務めている彼は、移籍当初はSG、現在はPGとして活躍し、特にこの2年は成長が目覚ましい選手です。完全に全盛期を迎えた彼は、ここ2年でオールNBA 1st×2、AS×2、MVP投票では5位、2位。

 以上の候補から2人を選んでいきます。まずは、ラス、ペイトン、KDだけではインサイドが不安すぎるので、フィジカルなビッグマンが欲しいところ。

 その点に絞ればヘイウッド、シクマ、ケンプ、イバカが候補になります。時代背景や全盛期の実力を考慮し、取り敢えず4人の中からケンプを選出とします。

 残る1枠はビッグマンでも、ガードを置いて3Gでも構いませんし、KDをPF起用してSFを正規ポジションとする選手でも構いません。今回はアレン、イバカ、PG、SGA。あと一応ヘイウッドが候補ですが、さすがに彼はこの辺りと比べると、活躍した時代のレベルが少し低い上に傑出していた期間も大体この4人とトントンなので、個人的には除外して良いと思います。 

 ポジション的に綺麗にハマるのは正統派SFのPGを置くか、イバカをCに置くパターンでしょうか。ただアレンも一応辛うじてSFで起用されたことはありますし、SGAもここ2年の実力なら(基本採用したくありませんし、これまで偶然採用しなくて済みましたが)3Gを採用するだけの価値はある実績です。

 ということで、それぞれの強みと弱み。アレンはAS選出回数。05年プレーオフWCSFでは優勝するSAS相手に健闘しています。…が、その年以外のチーム成績は微妙なのと、ポジションのバランスがどうだろうというのが気になるところ。

 イバカは在籍時のチームの安定した強さはこのリストでもぶっちぎりですし、生え抜きで在籍年数も7シーズンと、このリストの中ではトップです。選出した際のポジション的なバランスも良いです。弱みと言えば、単純にASではない、というかそもそもがロールプレイヤーというところ。

 PGの強みはポジションとスキルセット面でのバランスの良さ、更には2019年の飛び抜けた成績です。どんなロスターでも綺麗に嵌るのがPGの長所。で、弱みは先述の通り在籍僅か2年かつ2年ともプレーオフ1回戦敗退。しかもラスとPGが敗れたのは(弱いとは言わないが)優勝チームでもなんでもない、例えばアレンの時代のSASのように「負けても仕方ない」と言えるようなチームではないUTAとPORです。

 SGAの強みはこの2年で他3名のオールNBA 1stの受賞回数を上回っていることと、エースとして57勝していることでしょう。ピーク時の実力なら、19年のPGと24年のSGAがこのリストで2トップです。弱みと言えば、完全覚醒を迎えたのは、ここ2年のことで、その点ではPGと同程度の貢献期間。また、プレーオフについては在籍期間のほとんどでチームが(史上稀に見る)タンクをしてたこともあって、実質的な実績は昨季の1回戦突破のみ。あとはポジションの問題。一応SF起用されていたシーズンもあることにはありますが…。

 個人的には3G起用なら、年数も考えてアレンよりSGAの方が上だと思うのでアレンを除外。残りの3択ですが……うーん、在籍年数とピーク時の実力的にSGAを選ぶべき場面だとは思うんですが。やっぱり他のポジションで(SGAとの貢献度の差はともかくとして)まともな候補がいるのに、無理くり3Gにするのは好みではないので、今回に限り、完全に私の好みというだけで、PGかイバカにさせてください。

 で、ラストの2択ですが、それこそ完全に私の好みで行くなら、イバカを選出して2ビッグなんですが…流石にSGAとPG差し置いて選出すると、ぶちのめされそうなので、19年の成績を高く評価して、今回はPGとします。が、やっぱり在籍年数や昨季の成績を鑑みるとしっくり来ないので、ポジション気にならない方はSGAでお願いします。

 長くなりましたが、次行きましょう。

 

27.ミネソタ・ティンバーウルブズ(MIN)

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PG リッキー・ルビオ Ricky Rubio

SG アンソニー・エドワーズ Anthony Edwards

SF ケビン・ラブ Kevin Love

PF ケビン・ガーネット Kevin Garnett

C カール・アンソニー・タウンズ Karl-Anthony Towns

 

 前回のラストで言及した「マジックと似た理由で悩んだチーム」がこちら。理由はPGを見ていただければわかると思いますが…本当にガードがいません。いなすぎて苦労しました。ていうか、素晴らしいキャリアを送ってるとはいえ、4年目を終えたばかりのアントことアンソニー・エドワーズがほぼ議論の余地なく入っている時点で察するものがあります。

 あとMEMやLAC同様に3ビッグになってて気持ち悪いところはあるんですが、これも過去の2チーム同様に、この3人が球団史でずば抜けてて、絶対に抜けないという理由です。まぁ、幸いにしてラブもKATもめちゃくちゃアウトサイドを得意とする選手なので、スペーシング的には問題ないので良いでしょう。

 PGの候補は、3シーズン半、優秀な司令塔兼得点源として活躍したテレル・ブランドン。

 2年の在籍ながら、MIN史上最高の58勝に貢献し、AS、オールNBA 2ndに選出されたサム・キャセール。

 そして7年間、低迷するMINを牽引した不世出の司令塔にして「スペインの神童」リッキー・ルビオ。

 この中から今回は継続性を評価してルビオを選びました。共にキャリア晩年に入団したブランドンとキャセールと違い、NBAキャリアをMINでスタートさせている点も評価しました。シュート能力という課題はずっとついて回りましたし、在籍期間中は再建過程のチームということもあって、ずっと弱かったですが、それでも周りの若手にとって司令塔として彼のゲームメイクは不可欠でした。

 

28.ポートランド・トレイルブレイザーズ(POR)

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PG デイミアン・リラード Damian Lillard

SG クライド・ドレクスラー Clyde Drexler

SF ブランドン・ロイ Brandon Roy

PF ラマーカス・オルドリッジ LaMarcus Aldridge

C ビル・ウォルトン Bill Walton

 

 そんなに議論の余地もなさそうですが、惜しかった選手はドレクスラーの相棒として10シーズンPGを務めたテリー・ポーター。

 もう一人は「歩くテクニカルファウル」の異名で知られたPFラシード・ウォレスでしょうか。

 選出した選手の中では、怪我で史上稀に見る短命に終わったロイがぶっちぎりで実働が短く、ピークは新人年含めても4年ですが、その4年でロイがフランチャイズに残したものと、オールNBA×2という受賞歴は無視できません。ポーターよりかはデイム、ドレクスラーと並べる上でポジション的な無理が少ないと思い、選出しました。

 また、ロイはメインポジションがSGであり、一部のメディアではロイより身長の高いドレクスラーをSFにしていますが、ロイにはSFとして起用されたデータがあり、逆にドレクスラーは引退する直前まで、ポジション別データが取られておらず不明。ということで、ロイをSFで選出しています。

 その他については、球団史上最高の選手にして90年代の絶対的エース、ドレクスラー。球団史上No.2選手で歴代屈指のクラッチシューター、リラード。2000年代後半から活躍した安定感抜群のスキルフルPF、オルドリッジ。そして、球団唯一のMVP受賞、球団唯一の優勝を成し遂げたビル・ウォルトンという編成です。

 ちなみにウォルトンも怪我に苦しみ、POR在籍の5シーズン中に60試合以上の出場は2シーズンだけ。ロイに加えグレッグ・オデンの件もありますし、どうにも怪我で短命な選手が多いフランチャイズですね。

 

29.ゴールデンステート・ウォリアーズ(PHW,SFW,GSW)

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PG ステフィン・カリー Stephen Curry

SG クレイ・トンプソン Klay Thompson

SF リック・バリー Rick Barry

PF ケビン・デュラント Kevin Durant

C ウィルト・チェンバレン Wilt Chamberlain

 

 各選手の概要だけ洗っときます。

 説明不要の史上最高シューター、カリー。

 その相棒として圧倒的爆発力と堅い守備を見せたクレイ。

 70年代最強クラスのスコアラーにして、オールNBA 1st×5の猛者。75年には絶対的エースとして優勝及びFMVP受賞を果たしたバリー。

 禁断の移籍により、2回のFMVPを受賞し、GSWに新たに2個のリングをもたらしたKD。

 そして若かりし頃、1試合100得点や平均50得点を記録していたチェンバレン

 以上のラインナップです。文句なしに強い。が、惜しかった選手が3人います。それがネイト・サーモンド、クリス・マリン、ドレイモンド・グリーンでして、特に最後の人については入れなかったことについて批判がありそうなので、一応彼らについても説明。

 サーモンドは1963-64シーズンから73-74シーズンまで11シーズンもチームを支えたディフェンシブなビッグマンで、オールディフェンシブ×5(1st×2)、AS×7。自身の退団直後にバリーがチームを優勝させてしまうという、ちょっと不憫な選手。

 マリンは1985-86シーズンから96-97シーズンまでの13シーズンプレー(試合数はほぼクレイと一緒)。非常に高い効率で点を取る左利きのシューターで、ティム・ハーダウェイ、ミッチ・リッチモンドと共に「Run-T.M.C.」として人気を博しました。全盛期には5年連続AS、オールNBA×4(1st×1)と時代を代表するSFでしたが、今回はバリーがいるので落選です。受賞歴ではSGのクレイを大きく上回っていますし、入れ替え可能だとは思いますが、今回はポジションのフィットを優先しました。

 ドレイモンドは今更説明不要でしょうが、ずば抜けたバスケIQ(とダーティーな意味での攻撃性)を持つ攻守の司令塔で、特にDF面では絶対的な存在です。あまりにも特異なスキルセット及びプレースタイルのため、歴代PFランキング等ではロッドマンと並び、非常に比較が難しい選手ですが、オールNBA×2、オールディフェンシブ×8(1st×4)、そしてDPOYの実績は本物です。カリー時代4回の優勝において、個人的にはクレイよりも重要人物だと感じます。

 サーモンドについては、相手がチェンバレンなので仕方なしというだけで済むんですが、KDを入れてドレイモンドを抜いたことに関しては、意見がありそうなので一応補足します。

 まぁ、単純に「選手としての実力はKDの方が圧倒的に高いよね」というだけの話なんです。GSWが黄金期を築き上げる上で、その基盤となったのは間違いなくカリー、クレイ、ドレイモンドですし、言ってしまえばKDは彼らの築き上げた基盤の上で踊っていただけです。

 が、ではKDがいなければ17年、18年のGSWがどうなっていたかと言うと、流石に15年の優勝から日が浅く、前年リーグ記録の73勝を達成しているので「優勝できなかった」とは絶対言いません。しかし、(KDが残留した場合の)OKCや(史実通りCP3が移籍した)HOUに阻まれていた可能性はそれなりにあります。

 GSWの「王朝」という言葉は、5年連続のファイナル進出、そして4年で3回の優勝という事実に基づいています。仮にKDが移籍せず、それらいずれかが阻まれ、「優勝後も毎年WCF以上に進出する強豪を維持した」レベルであれば、カリー、クレイ、ドレイモンドの評価は今ほど高くないはずです。KDもまたGSW王朝を、現在認識されているレベルに絶対的なものとする上で、欠かせない存在ではありました。

 チームというバスの運転手ではなく「バスライダー」のKDではありますが、それでもFMVPを2回受賞している事実は無視できません。そんなわけで今回はドレイモンドより優先しました。

 

30.ワシントン・ウィザーズ(BAL,CAP,WSB,WAS)

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PG ジョン・ウォール John Wall

SG ギルバート・アリーナス Gilbert Arenas

SF ブラッドリー・ビール Bradley Beal

PF エルヴィン・ヘイズ Elvin Hayes

C ウェス・アンセルド Wes Unseld

 

 まずヘイズとアンセルドのコンビは確定。長年チームのインサイド支え、78年の優勝を牽引しました。余談ですが、成績や受賞歴だけ見ると圧倒的にヘイズの方が上なのですが、生え抜き故か専らアンセルドが球団史上最高の選手として語られます。悪名高い彼の息子(WUJ)が食いっぱぐれないのはひとえに彼のおかげです。

 続いて2000年代を代表するスコアラー、奇人アリーナス。自らの行いでキャリアを台無しにした残念さのある選手ですが、全盛期はオールNBA×3、AS×3とプレーオフチームのエースとして活躍しました。

 ウォールは爆発的な身体能力に加え、(ターンオーバーは多いものの)平均10アシストを記録するほどのパス能力、オールディフェンシブ×1の守備能力を併せ持った、プレーオフ常連の2010年代のエース。

 そして残りの1枠で割と悩みました。

 候補1。ガス・ジョンソン。60年代後半から70年代前半に活躍し、オールNBA 2nd×4と受賞歴は抜群。ウォールやアリーナスさえ上回ります。が、再三言っている通り時代が時代。

 候補2がジュワン・ハワード。90年代後半に7シーズン半、得点源として活躍し、キャリア2年目にはオールNBA 3rd、AS。

 候補3がハワードと大学の同期のクリス・ウェバー。キャリア2年目から4シーズン過ごし、怪我に苦しみながらチームのトップスコアラー兼リバウンダーとして活躍。AS×1。

 候補4と5がカロン・バトラーとアントワン・ジェイミソン。共に00年代後半のアリーナス擁する超攻撃的チームを支え、平均20得点前後を記録し、ASも共に2回ずつ。

 そして最後の候補がビール。ポジション的にはSGですが、ドラフトされてから11シーズンプレーした実績は相当なもの。10年代はウォールを支え、彼の退団後は怪我に悩まされながらもエースとして活躍。オールNBA 3rd、AS×3。

 この中から今回は、この企画で基本的に避けている3Gを採用し、ビールを選出。一番惜しかった、というか本来妥当な候補はガス・ジョンソンですが、私には継続的にプレーオフに進出していたビールの11シーズンを見過ごせませんでした。

 

 そんなわけで30チームの選出が完了しました!今回のSEA/OKCが一番疲れた気がします。SEA/OKCについては最後の4択から誰を選ぶかは、正直それぞれの好みです。皆さんも好きに選びましょう。

 

 あまりに文量が長くなってしまった、この企画。一部だけでも読んでくださった方、ありがとうございます。こういった企画は考えるのも書くのも非常に楽しいので、また何かしら書くと思います。

 それでは最後に番外編としてSEA、OKCの単独の選出を載せて終わります。ありがとうございました!!

 

番外編

シアトル・スーパーソニックス

PG ゲイリー・ペイトン Gary Payton

SG フレッド・ブラウン Fred Brown

SF レイ・アレン Ray Allen

PF ショーン・ケンプ Shawn Kemp

 C ジャック・シクマ Jack Sikma

 受賞歴としてはヘイウッドがトップクラスでしたが、在籍年数や時代背景を考えるとケンプとシクマ優先でも良いのかなと思います。(サイズ的にはSFですが、プレースタイル的にはどう考えてもPF・Cしかできないし)

 

オクラホマシティ・サンダー

PG ラッセル・ウェストブルック Russell Westbrook

SG シェイ・ギルジャス・アレクサンダー Shai Gilgeous-Alexander

SF ポール・ジョージ Paul George

PF ケビン・デュラント Kevin Durant

 C サージ・イバカ Serge Ibaka

 イバカ以外全員がオールNBA 1st受賞経験者という中々壮観なラインナップ。歴史は浅いし、多分これ一択だと思いますが、誰か忘れてたらごめんなさい。

NBA 各チームのAll Time Starting 5を考える会⑤ Pistons,Raptors,Rockets,Spurs,Suns 編

 おはようございます。なつです。この記事を書き始めたのはパリ五輪準決勝、アメリカ対セルビアのハーフタイムです。フランスがドイツを破った直後で、過去2戦(日本、カナダ)ほどではありませんが、審判関係でプチ炎上してますね。またか…。

 あと今回紹介する5チームからはPHXの2人(KDとブッカー)しかアメリカ代表に参加してないっぽいです。なんせ今回紹介する5チーム中4チームが再建過程です。(HOUは怪しい)

 余談は置いといて、早速本題に行きましょう。例によってルールはPart 1冒頭にあります。

 

21.デトロイト・ピストンズ(FTW,DET)

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PG アイザイア・トーマス Isiah Thomas

SG ジョー・デュマース Joe Dumars

SF グラント・ヒル Grant Hill

PF デニス・ロッドマン Dennis Rodman

C ベン・ウォレス Ben Wallace

 

 前身のFTWについては特に語ることがないので省略。まず、DETを語る上で欠かせないのは1988-89、89-90のバッドボーイズによる2連覇。そして多くの他球団ファンに忌み嫌われたバッドボーイズに対し、未だに多くのNBAファンに愛されているのが2003-04に優勝を果たし、その前後に6年連続ECF進出を果たしたチーム。

 基本的には、これら2チームからの選出になると思います。もちろん、その他にも候補はいますし、70年代のエースセンターであるボブ・レイニア。90年代後半にリーグNo. 1 SFとして君臨したグラント・ヒルなどが、挙げられます。

 取り敢えず一旦候補を並べましょう。まずはガードから。

 言わずと知れたバッドボーイズの心臓、球団史上最高の選手であるアイザイア・トーマス。出場試合数はチーム歴代2位、得点、アシスト、スティールで歴代1位です。オールNBA×5(1st×3)、AS×12、アシスト王、FMVP。文句なしの選出です。

 歴代屈指のディフェンダーバッドボーイズ唯一の良心ことデュマース。出場試合数は1位で、オールディフェンシブ×5(1st×4)、AS×3。実はトーマスより先にFMVPを受賞しています。

 2000年代の強豪時代からは、安定した司令塔であり、優れたシューターであり、頼りになるリーダーであり、クラッチタイムでは誰より恐ろしい「Mr.Big Shot」チャウンシー・ビラップス。オールNBA×3、オールディフェンシブ×2、AS×4そして2004年のFMVP。

 ガードは変則の3ガードでも採用しない限りは、この3人から2人を選ぶことになります。00年代のSG、「Rip」ことリチャード・ハミルトンもAS×3の素晴らしい選手ですが、流石に上記3人に比べると見劣りします。

 まずトーマスは先述の通り確定枠です。球団史上最高なので当然。その上でデュマースとビラップスのどちらを選ぶかですが…ビラップスが好きなので心苦しいですが、それでもやはりデュマースを選出します。

 一番の理由はやはりポジション。ビラップスにSGもやれないことはないでしょうが、正規のSGとして活躍したデュマースを押し退けてまで、ビラップスを選出するには、(ビラップス自身は十二分に素晴らしい実績ですが)デュマースが達成していることが大きすぎます。

 続いてフォワード。まずはロッドマン。彼はSF、PFとしてプレーしたDETでの7シーズンでオールディフェンシブ×5(1st×5)、DPOY×2、リバウンド王×2、AS×2。間違いなく選出されます。

 グラント・ヒル。先述の通り90年代後半に活躍した大人気選手で、キャリア最初の6シーズン在籍。新人王を皮切りに、オールNBA×5(1st×1)、ASには新人ながら最多得票で初選出されると、以降ASが開催されなかった98-99シーズン以外は毎年、計5回選出。こちらも実績としては群を抜いています。

 他の候補としては00年代の守備の名手テイショーン・プリンスがおり、こちらはオールディフェンシブ2nd×4。しかし、流石に上記2人の方が勝るでしょう。あとはラシード・ウォレスや、(歴代で一番好きな選手なので一応名前だけ出しますが)ブレイク・グリフィンらがいます。

 最後にCですが、主な候補は3人。70年代のエース、ボブ・レイニア。9シーズン半にわたってエースを務め、その間平均22.7得点11.8リバウンドと、攻撃面では他2人の候補を圧倒的に上回っています。ASには7回選出。当時はオールNBA 3rdがなく、かつジャバーが常に1枠を取っていたこともあり、オールNBA受賞歴こそありませんが、MVP投票3位、4位に1回ずつ入っています。

 ちなみに、彼は1970年のドラフト1位ですが、彼の後には2位でこの後HOUで登場するトムヤノヴィッチ、3位はATLとUTAで触れたマラヴィッチ、4位はBOSのコーエンス、5位はSACで名前を挙げたサム・レイシー、2巡目の1番目に当たる18位では、この後HOUで名前を挙げるマーフィー、19位ではSACで名前を挙げたアーチボルドなど、今回の企画で見る名前が目白押しです。70年代全体が目立たないだけで、実は割と豊作ではあります。

 次はバッドボーイズビル・レインビア。12シーズン半をDETで過ごし、不動のCとして活躍。平均13.5得点10.1リバウンドでASに4回選出。

 最後の一人が、歴代最強クラスの守備型C、ベン・ウォレス。ヒルのトレードで獲得されたドラフト外選手は、DETでの9シーズンで平均6.6得点と攻撃面では圧倒的にリストの中で最弱。しかし、守備面ではリバウンド王×2、ブロック王×1をはじめとする活躍。オールディフェンシブ×5(1st×5)、そしてなんとDPOY×4。現在まで4回の受賞者はディケンベ・ムトンボ、そして昨季達成したルディ・ゴベアがいますが、1球団で達成したのは彼だけです。今回のCのリストの中では唯一オールNBAに選出されており、その数5回。

 彼ら3人の中から私が選ぶのは、ベン・ウォレス。00年代の強豪DETの脳がビラップスなら、心臓はベン・ウォレスです。結構な数のメディアがレイニアを選んでいますが、個人的には最初から彼を選ぶ気満々でした。

 理由としては単に彼がそれだけ歴代でも特異な存在というのもありますが、一応後付けで考えるなら、レイニアが活躍した時代が、しばしば触れている「70年代」だからというものがあります。が、これに関してはそれほど重要視していませんし、単にベンの方が好きだし、受賞歴で上回っているからと捉えてくれて構いません。

 そんなわけで、超ディフェンシブなラインナップが完成。DF強度はほぼ間違いなく30球団最強。デュマース、ロッドマン、ベンのDFは悪夢でしかありませんね。この泥臭さ、DFの強さは球団を飛び越え、街としてのDETのカルチャーですね。

 

……すみません、ここまでドラモンドのことを完全に忘れてました。どの道、ベンとレイニアの2択ではありますが。

 

22.トロント・ラプターズ(TOR)

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PG カイル・ラウリー Kyle Lowry

SG ヴィンス・カーター Vince Carter

SF カワイ・レナード Kawhi Leonard

PF デマー・デローザン Demar DeRozan

C クリス・ボッシュ Chris Bosh

 

 先に言っておきますが、多分この5人以外に選択肢がありません。変えるところがあるなら、身長順を考えてカワイとデローザンのポジションを入れ替えるくらいです。カワイはキャリア全体でほぼPF起用はなく、デローザンもTOR時代に関してはSFどころか寧ろSGメインだったのですが、SAS移籍以降のキャリアでPF起用が多いので、このポジションにしています。

 球団の歴史が非常に短い上に、この5人が突出しています。

 同じ95年にエクスパンションで発足したグリズリーズが、僅か6シーズンでバンクーバーから去るなど、カナダでのバスケ人気が低かった時代。98年に入団したカーターは、そのセンセーショナルなスタイルと活躍で、一躍注目の的になりました。特に2000年のダンクコンテストは伝説です。彼の実力もあり、2000年には創設5シーズン目でプレーオフに進出し、2001年にはECSFでアイバーソン率いるPHIとGAME 7まで渡り合う熱戦を演じるなど、球団草創期において、今なお「カナダ唯一のNBAチーム」が存続するための礎を築きました。

 ボッシュはカーターと入れ違いで活躍した選手で、2000年代のラプターズを牽引しました。東のフロントコートが弱い時代とは言え、器用なスキルセットを活かしたビッグマンとしてASに5年連続選出。更にはPF全盛期と言える2000年代にあって、4年目の若干22歳にしてキャリア唯一のオールNBA選出である2ndチームへの選出を果たしました。

 ボッシュの退団後、2010年代にTORを「東の強豪」に押し上げたのがラウリーとデローザンのバックコートデュオです。2人が活躍した13-14シーズンから17-18シーズンまで5年連続でプレーオフに進出。

 シュート力とゲームメイク力、PGに求められる能力を全て高いレベルで安定して持ち合わせていたラウリーはASに6年連続選出。オールNBA 3rdにも選出。

 抜群の身体能力と、高精度のミッドレンジを武器とするスコアラーのデローザン。こちらはASに4回選出され、オールNBA 2ndと3rdが1回ずつです。

 2017-18シーズンには球団史上最高の59勝で球団史上初の第1シードにもなりました…が、このプレーオフ、ECSFで化け物になっていたレブロンとあたりまさかのスイープ敗退。3年連続でCLEに破れ、しかも2年連続スイープを含む2勝12敗という惨憺たる有様に様々な蔑称が生まれました。

 そして、その直後のオフ。フランチャイズプレイヤーであるデローザンとの(TOR視点では)NBA史に残る大博打トレードで入団したのが、SASでエースをやっていたカワイ・レナードです。しかも、彼は前のシーズンを怪我でほぼ全休しています。そんな彼とエースをトレードしたのです。

 その上、彼の契約は、たった1シーズンで切れますし、事実、彼は次の夏に出て行きました。それでも彼は当然このリストに載りますし、人によってはTOR史上最高の選手と呼びます。(流石に言い過ぎだと思いますが)

 具体的に何をしたかは、皆さんご存知だと思うのでサクッと済ませますが、彼は伝説的なプレーオフランを見せ、TORに史上初の優勝をもたらしました。特にPHIとのECSF、GAME 7で見せたシリーズの勝利を決めるブザービーターNBA史に残る名シーンです。

 

 そんなわけで、この5人は29シーズンの歴史の中で、ずば抜けた存在です。

 

23.ヒューストン・ロケッツ(SDR,HOU)

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PG カルヴィン・マーフィー Calvin Murphy

SG ジェームズ・ハーデン James Harden

SF トレイシー・マグレディ Tracy McGrady

PF モーゼス・マローン Moses Malone

C アキーム・オラジュワン Hakeem Olajuwon

 

 確定枠はハーデン、マローン、オラジュワンです。3人ともMVPを受賞し、時代のトップ選手として名を残した殿堂入り選手と殿堂入り確定選手です。ビッグマンでは他にヤオ・ミンやドワイト・ハワード、キャリア初期のエルヴィン・ヘイズなどがいますが、マローン、オラジュワンには敵いません。

 残りの2枠を争うのはガードではカルヴィン・マーフィーとクライド・ドレクスラー。フォワードではルディ・トムヤノヴィッチとT-Macことマグレディになります。

 まずガードについて。マーフィーは70年ドラフトでSDRに入団すると、HOU移転の2年目以降も引退する1982-83シーズン終了まで1002試合をロケッツ一筋でプレーしました。キャリア平均17.9得点4.4アシストで、シーズンによっては21.0得点7.3アシストのコンボガード、またSGにコンバートしたシーズンは25.6得点を記録するスコアリングガードとして柔軟に活躍しました。特筆すべきは175cmとNBAの歴史でも稀にしか見ない低身長と、通算で89.2%を誇る高精度のフリースローです。後者に関しては歴代3位の78本連続成功、28年破られなかったシーズン成功率95.8%などの記録を残しています。

 POR史上最高の選手として知られるドレクスラーは、HOUが優勝を果たした93-94シーズンの翌年、94-95シーズンのトレード・デッドライン(TDL)にNBA史に残る衝撃のトレードで入団しました。そして、シーズン後半戦、イマイチ軌道に乗り切れず47勝に終わったHOUの補強は失敗…かと思いきや、下位シードで進出したPOで、60勝のUTAに1-2、59勝のPHXに1-3と、それぞれ王手をかけられながら大逆転勝利。WCFで62勝のSASを4-2で降し、これで第3〜第1シードを順番に撃破したことになります。ファイナルでは若きシャック&ペニーを擁し、57勝を挙げたORLを下馬評を覆すスイープで降し、連覇を果たしました。この一件はしばしば「TDL史上最高のトレード」と呼ばれます。

 ドレクスラーのHOUでの活躍は、この後も3シーズン続き、ASに2回選出されますが、バークレーを加えた最後の2年も含め、ファイナルに進出できずに終わりました。

 マーフィーの強みは、その圧倒的な継続性。ヘイズの時代からマローンの時代へ。ASこそ1回ですが、多大な貢献を見せました。キャリアの大半をプレーしたのがチームの過渡期であったため、優勝等目立ったプレーオフ実績はありませんが、シーズン負け越しからファイナルに進出した81年にはマジック&ジャバーのLALやジョージ・ガービンのSASを破る上で大きな役割を果たしています。

 ドレクスラーの強みはなんと言っても優勝への貢献。そして単純な実力なら、全盛期を過ぎたキャリア晩年のHOU時代でもマーフィーを上回っている点です。また、リーグのレベルもマーフィーのキャリアの大半を占める70年代よりも90年代後半の方が高いです。

 その上で今回はフランチャイズプレイヤーである、マーフィーを選出しました。正直どちらを選んでも問題はないと思います。

 で、SFの枠はマーフィーの同期であるトムヤノヴィッチ、そして稀代のスコアラーT-Macで争うことになります。

 トムヤノヴィッチについては、マーフィーよりキャリアが2年短く、最終年である81年のファイナル進出にそれほど貢献していない点を除けば、基本的にチーム状況は一緒です。AS×5で、度々20得点を記録するなど、キャリア平均17.4得点8.1リバウンドと11シーズン安定した活躍でした。ちなみに優勝を果たした93-94、94-95シーズンはHOUのヘッドコーチを務めています。彼の球団への最大の貢献はこれですね。今回はカウントしませんが。

 対するT-Macは5シーズンとそれほど長くない在籍期間で、しかも303試合と欠場が目立った選手ですが、その間にオールNBA×3、AS×4と相変わらずリーグトップクラスのスコアラーとして活躍。地味に在籍期間で平均4.7アシストを記録していたり、この手のスコアラーのイメージに反してTOVが少なかったりと、ポイントフォワードとしても上々です。

 ただ、彼の弱点として挙げられるのが上記の試合数の原因にもなっている怪我。そして、一部はその怪我に起因するプレーオフ戦績の悪さです。彼自身がレギュラーシーズンを長期間欠場したり、プレーオフを丸ごと欠場した年もあります。また、彼の相棒であるヤオ・ミンはマグレディ以上に欠場が多く、彼ら2人が揃ったプレーオフシリーズは2つしかなく、マグレディは1回戦を突破したことがありません。まぁ、トムヤノヴィッチも別にプレーオフを勝ち進んでいませんし、そもそもエースというタイプでもないので、今回の評価には特に関係しなさそうではあります。

 ということで、二者を比較しましたが、どちらを選ぶかと言われると、T-Macですかね。流石にピーク時の実力と時代背景を踏まえた受賞歴が違いすぎます。

 

24.サンアントニオ・スパーズ(SAS)

※ABA時代(SAA)は含みません。

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PG トニー・パーカー Tony Parker

SG ジョージ・ガービン George Gervin

SF カワイ・レナード Kawhi Leonard

PF ティム・ダンカン Tim Duncan

 C デイビッド・ロビンソン David Robinson

6th マヌ・ジノビリ  Manu Ginóbili

 

 TORと似てはいますが微妙に違う理由で、あまり悩む余地がないチームがSASです。歴史はそれなりにありますが、各ポジションの選手がぶっちぎりすぎるんですよね。長年活躍した選手が多く、長期的な成功を収めたフランチャイズというのが大きいです。それもこれもダンカンとかいう、全盛期がリーグNo. 1選手と怪物すぎる上に、長寿性まで兼ね備えている選手がいたからですが。ガービン以外は彼としっかりプレーしてますからね。

 わざわざ選手成績やシーズン成績並べるのも面倒なので各自調べてください。

 黄金期のファンが一番気にするのは、SGはジノビリじゃないのかというところでしょうし、ガービンについてだけは説明します。ABA時代からスパーズに在籍し、NBA参入後も9シーズン在籍。その怪物スコアラーっぷりはNBA2年目、24歳で完全開花。NBA入り以来、9年連続AS、7年連続オールNBA選出、うち2年目からは5連続の1stチーム。2年目から4年目までの3年連続を含む4回の得点王。

 この実績を見れば、流石にジノビリより優先せざるを得ません。ということで、ジノビリはシックスマンとして選出です。企画の趣旨からは外れますが、仕方ありません。(テリーもこれで良かったのでは?)

 で、一応SFのカワイだけは対抗にブルース・ボウエンがいます。7年連続オールディフェンシブ(1st×5)で3回の優勝に貢献した元祖3&Dにしてダーティプレイヤーです。が、流石にカワイが上で良いと思います。

 カワイはエースになってから僅か2シーズン後、怪我で長期の離脱となり、それに端を発してパーカーと揉めたりして、早々に移籍しました。しかし、在籍7シーズン(実働6年)でオールNBA 1st×2、オールディフェンシブ×4(1st×3)、そしてDPOY×2と2014年のFMVP。こう並べるだけで十二分な実績ですね。

 ということでSASはこれで決まりです。

 

25.フェニックス・サンズ(PHX)

↑今更だけど略称ってPHX、PHOどっちなんだ?楽天だとPHXだし、私もそっちを使うことが多いですが、結構PHO表記も見かけます。

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PG ケビン・ジョンソン Kevin Johnson

SG スティーブ・ナッシュ Steve Nash

SF ショーン・マリオン Shawn Marion

PF チャールズ・バークレー Charles Barkley

 C アマレ・スタウダマイヤー Amar'e Stoudemire

 

 取り敢えず先にフロントコートの話からします。確定している枠は92-93シーズンにMVPも受賞しているPFのバークレー

 次にCですが、チームの歴史を見ると、割と層が薄いです。その中で、本来のポジションはPFながらマイク・ダントーニのアップテンポなスタイルの要として多くの時間をCとしてプレーし、ナッシュ時代のチームのリーディングスコアラーとなったアマレの存在感が際立ちます。抜群の機動力でナッシュとの相性も抜群。従来とは違うセンター像を確立し、オールNBA×4(1st×1)、AS×5と活躍しました。

 そしてSFについてですが、アマレと同じ2000年代からマリオンを選出します。今回調べて

「私が歴代で一番過小評価していた選手はマリオンなのでは?」

と思いました。201cmでありながら、208cmのアマレに代わってチームNo. 1のリバウンダーを務め、平均18得点10リバウンドを残しました。ASにコーチ推薦3回を含む4回出場し、オールNBAも2回。オールディフェンシブチームに選出されたことはありませんが、DPOY投票4位、5位、7位など、DFでの評価も高いです。

 そのほかの候補として殿堂入り選手であるウォルター・デイビスがいます。球団の歴史では、ケビン・ジョンソンバークレーらがいた90年代や、ナッシュがいた2000年代後半の方が人気や知名度はありますが、80年代のPHXもしっかりと強豪ないし中堅でした。

 デイビスはSG、SFでプレーするスウィングマンであり、1年目に平均25得点を残し新人王を受賞。その後もPHXでの11シーズンでオールNBA×2、AS×6と長年チームを支えました。この辺の経歴は完全にマリオンを上回っています。しかし、在籍時のチームにおける重要度や、チーム自体の強さを考慮して、マリオンを選出しています。

 満を持して、問題のバックコートです。このチーム最大の問題は歴代レベルのPGが3人も在籍していたことです。しかも、3人が3人とも、スコアリングよりもゲームメイクを優先する、アシスト数の多い所謂「司令塔」型であったため、並べた時の違和感がすごいんですよね。

 とは言え、バックコートをこの3人から2人選ぶほかないというのが現状です。そのくらい3人の存在が群を抜いています。ポジションがどうしても気になる方は、SGにデビン・ブッカーかダン・マーリー、もしくは先述のデイビスを入れておいてください。

 で、問題の3人というのがKJことケビン・ジョンソンジェイソン・キッド、そしてスティーブ・ナッシュ

 まず、確定枠はナッシュです。2回のMVPと、球団史上最高の時代を作り上げた伝説的司令塔という点で説明は事足りる気がします。キャリア最初の2年をPHXでキッド及びKJの控えとして過ごしていますが、その2年を除いた古巣復帰後の平均アシスト数は8シーズンで10.9アシストです。なんだコイツ。

 ちなみに歴代屈指の優れたシューターの証である50-40-90を4回達成しています。なんだコイツ。

 残りの1枠をKJとキッドで争うことになります。KJはトレードでのPHX移籍でチャンスを得て一気に開花。先発PGに定着すると、翌年MIPを受賞し、以降の11シーズンでオールNBA×5、AS×3と、90年代を代表するPGとして活躍。強豪時代を牽引したリーダーであり、人格者としても知られ、カルチャー面でのフランチャイズへの影響も大きかったとされます。一方で長年怪我に苦しみ、キッドの獲得からほどなく入れ違いで引退。

 キッドは3年目の96-97シーズン途中にトレード入団すると、翌年は2年ぶりのAS選出。そして更に翌98-99シーズンから2000-01シーズンまでの僅か3シーズンで、彼はリーグNo. 1 PGとしての地位を完全に確立。3年連続でオールNBA 1st、オールディフェンシブ(1st×2)に選出されました。その後はプライベートのスキャンダルがきっかけで、NJNにステフォン・マーブリーとの交換で放出され、そこでもリーグNo. 1の活躍。一方のPHXは3年ほど足踏みすることになります。(まぁ、04-05シーズンにナッシュが加入して、また伝説級のPGが生まれるんですが) 

 こうも時代を代表するPGが途切れない(マーブリーについてはノーコメント)チームってなんなんですかね。

 KJとキッド、どちらを選ぶかですが、今回はKJでいきます。確かにピークはキッドの方が上ですが、試合数に倍近い差がありますし、何よりKJはPHXというフランチャイズにとっては、語弊を恐れずに言えばバークレーよりも重要な選手です。

 以上、PHXでした。2人の司令塔の役割被りは気になりつつ、彼らから歴代クラスのフィジカルと身体能力を誇るフロントコートにパスが飛び交うところは、見ていてかなり面白そうです。

 

 そんなわけで25チームが終了。残り5チームです。今回はかなり楽だった印象です。次回、最終回はマジックと同じ理由で難しいチームが出てくるのですが…。次回はThunder,Timberwolves,Trailblazers,Warriors,Wizardsの5チームです。

 ぜひ最後まで、よろしくお願いします。なつでした。

NBA 各チームのAll Time Starting 5を考える会④ Mavericks,Nets,Nuggets,Pacers,Pelicans 編

 なつです。早くも折り返しです。ルール説明は第1弾の冒頭に…と省略したいところなんですが、今回ばかりはルール2について改めて強調しなければなりません。

 それは「ABAでの実績を完全に除外する」という点です。今回、ネッツ、ペイサーズという、このルールに大きく影響を受けるチームが2チームも登場するので改めて説明します。

 まずABAが何かについては深くは説明しません。70年代にNBAと人気を二分したエキサイティングなリーグという認識で取り敢えずOKです。

 ABAのリーグとしてのレベルについては、諸説ありです。いずれにしても、この70年代のNBA、ABAは名選手が両リーグに分かれていた影響で、トップ層の実力はともかく、「リーグ全体では前後の時代のNBAよりレベルが低かった」とされることがしばしばあります。実力はともかく、NBAの人気が最も低迷したのも、この時期です。(まぁ、人気低迷の理由は他にもありますが…そちらについてはDENの項で触れます)

 NYKの項で軽く触れましたが、私もこの見解には、それなりに同意しています。当時を知っているわけではないので、積極的に採用したい見解ではありませんが、決め手に欠ける場合には参考にするという程度ですね。

 で、その後、ABAはNBAに吸収合併されるんですが、現在のNBAに残っているチームでは、ネッツ、ナゲッツペイサーズ、スパーズの4チームがABAから参入したチームです。

 この前情報を踏まえて、なぜABAでの実績を完全に除外するかというと…単に、この企画を始める前の私が面倒だと思ったからですね。完全に別リーグのことですし、比較が難しいんですよね。拍子抜けする程しょうもない理由です。

 しかも、改めて一応上記4チームの選出を検討してる段階で、ABAでの実績込みで候補に入ったのがネッツのDr.J、ペイサーズのマクギニスとメル・ダニエルズ、フレディ・ルイス、スパーズのガービンくらいですし、なんならネタバレになりますが、ガービンはNBA参入後もスパーズにいた影響で、普通にNBAでの実績だけで選出されます。ギルモアやモーゼス・マローンといった他のスター選手に関しては、そもそもチームが合併段階で消えているので、選出になんら影響しませんでした。

 ということでペイサーズ以外では「Dr.Jをネッツに含めるか」という点ぐらいしか影響が出ませんでした。びっくりだね!

 そんなわけで、ペイサーズだけ悩む程度ですし、このルール廃止にしてもいいんですけど…。まぁ、言い出してしまったものは仕方ないので、継続です。

 もし彼らを入れたい方は、誰を抜くかを検討しながら、下記のベスト5を見てください。

 前置きが長くなりましたが、それでは行きましょう!

 

16.ダラス・マーベリックス(DAL)

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PG ルカ・ドンチッチ Luka Doncic

SG ローランド・ブラックマン Rolando Blackman 

SF マーク・アグワイア Mark Aguirre 

PF ダーク・ノヴィツキー Dirk Nowitzki

C サム・パーキンス Sam Perkins

 

 数多の球団記録を持ち、全フランチャイズを含めてもNo. 1と言えるほどのフランチャイズへの貢献度で、ぶっちぎりのマブス史上最高選手のダーク。

 1年目にセンセーショナルな活躍で新人王に輝くと、以降2年目から6年目の23-24シーズンまで、現在も5年連続オールNBA 1st、AS選出を続けているルカ。

 この2人は議論の余地なく選出です。そもそも、このフランチャイズでオールNBAに選出されたことがある選手は、彼ら2人含む3人しかいません(!?)し、その上でこれだけの内容なら当然です。

 残りの3枠についてですが、80年代の中堅時代を長年支えた選手たちか、2000年代にダークと共にプレーした選手たちの中から選ぶことになります。歴史が比較的長くない上、90年代が弱すぎてほぼノーカンのため、候補はそんなに多くない…と思ったのですが…。このチーム、やたらと在籍年数が長く、かつオールNBA等ずば抜けた実績こそないものの、チームに欲しいような名脇役は山ほどいるんですよね。

 とりあえず年代順に候補を並べていきます。まずは80年代後半の先発5人をまとめて紹介。87年の55勝などに貢献した選手たちです。

  PGのデレック・ハーパー。11シーズン以上、チーム歴代3位の872試合に出場し、通算アシストとスティールも歴代1位。平均14得点6アシストに加え、オールディフェンシブ×2の守備の名手。

 SGのローランド・ブラックマン。こちらも11シーズン865試合(歴代4位)と長期に渡って、平均20得点前後を記録する貢献。通算得点はチーム歴代2位。AS×3。

 SFのマーク・アグワイア。チームのエーススコアラーとしてキャリアハイ29.5得点をはじめ、平均24.6得点5.7リバウンド3.8アシストを記録し、7シーズン半で566試合に出場。AS×3。

 PFのサム・パーキンス。6シーズン471試合に出場。平均14得点8リバウンド、以上。

 Cのジェームズ・ドナルドソン。6シーズン半、484試合に出場。平均8.8得点9.5リバウンドでAS×1。

 

 はい。PFとCの2人を見て察したと思いますが、このフランチャイズ、ダーク以外のビッグマンにめぼしい選手が本当にいません。1年だけ所属し、優勝に貢献したタイソン・チャンドラーや、昨季ルーキーながらファイナル進出に貢献したデレック・ライブリー2世が候補に入るくらいですので、パーキンス、ドナルドソンは年数から見て妥当な候補です。

 続いて、PGのジェイソン・キッド。新人から数年をDALで過ごし、新人王を獲得するも3年目途中に諸事情で放出。全盛期をPHX、NJNで過ごした後、2007-08に古巣復帰すると、2011年の優勝に貢献。8シーズンでAS×2。キャリア初期と晩年にしか所属しませんでしたが、平均10.5得点5.5リバウンド8.4アシストと無視できない実績です。

 そのキッドとのトレードで入団し、ノヴィツキーのキャリア初期を支えた、というか時期によってはエースとして彼を引っ張ったのがSFのマイケル・フィンリー。9シーズン626試合、平均20得点前後を残し、AS×2。次に出てくるナッシュの退団後、翌年にはフィンリーもチームを去り、ダークのキャリアは次の時代に突入した印象です。

 で、「ダークの相棒といえば」でお馴染みのナッシュ。後のMVPですが、DAL時代には6シーズン408試合で14.6得点7.2アシスト、オールNBA 3rd×2とAS×2。そう、先ほどしれっと「オールNBAに選出されたことがある選手が3人しかいない」と述べましたが、その最後の1人がナッシュです。

 フィンリー退団の前年にドラフト入団、翌年彼の移籍を受けて台頭し、優勝直前の2009-10シーズン途中にトレードで退団したスウィングマンのジョシュ・ハワード。6シーズン半で平均15得点6リバウンドを残し、AS×1。

 そして最後がJETの愛称でダラスのファンに愛されたSGのジェイソン・テリー。歴代屈指の3pt成功数を誇り、DALでは時にPGも務めながら、得点源として8シーズン619試合に渡って器用に活躍。07-08シーズンからはシックスマンに転身し、5年連続シックスマン賞投票ベスト3に入る活躍。08-09シーズンには同賞を受賞し、11年の優勝にも多大な貢献を果たしました。

 というわけで、この割と横並びのメンバーの中から私が選ぶ3人は、SGブラックマン、SFアグワイア、Cパーキンスの80年代メンバーです。

 まずガードについてですが、一番惜しかったナッシュはリストの中で唯一のオールNBA受賞歴を持ちますが、在籍期間が然程長くない。その上、キッドにも言えますが、シューターの役割も可能とは言え、メインポジションは当然PGです。その都合で除外しました。

 個人的にかなり推したかったのはJETですが、流石に在籍年数とAS回数を考えるとブラックマンなのかと思います。

 次にSFですが、アグワイアとフィンリーでかなり悩みましたが、最終的にはスタッツとAS回数を見てアグワイアで。ただ試合数等を考えると、フィンリーと入れ替え可能という印象です。

 最後にマブス永遠の課題であるCですが、同時期にCとして出場していたドナルドソンよりかは、PF兼Cのパーキンスをコンバートする方がスタッツ的に強いかと思い、この選択。一応ドナルドソンって平均得点一桁でASに選ばれてるんですけどね。

 また、ダークをC起用する案も考えましたが、豊富なSG、SFの層の中に、PFを任せられそうな選手が見当たらなかったので、どの道ビッグマン不足は解決しないということでボツ。

 以上が、マブスのベスト5です。チャンドラーの愛弟子であるライブリーくんが、今後フランチャイズ史上最高のセンターになることを祈りましょう。

 

17.ブルックリン・ネッツ(NYN,NJN,BKN)

※ABA時代のニュージャージーアメリカンズ(NJA←Aどっから出てきた?)、ニューヨーク・ネッツ(NYA←ABAのAか?)は含みません。NBA1年目のニューヨーク・ネッツ(NYN)は当然含みます。含んでも含まなくても、結果は変わりませんが。

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PG ジェイソン・キッド Jason Kidd

SG ヴィンス・カーター Vince Carter

SF リチャード・ジェファーソン Richard Jefferson

PF バック・ウィリアムズ Buck Williams

C ブルック・ロペス Brook Lopez

 

 偶然にも、球団の通算得点ランキングTOP 5が綺麗に並びました。先述の通り、ABAをカウントしない都合でDr.Jがいませんが、気になる方はジェファーソンと入れ替えてください。

 このチームもNBA参入後の歴史自体は先ほどのマブスと大差なく、その上で強豪だった時期はマブスと比べるまでもなく短いので、候補は少ないです。てかほとんどが、キッド時代の選手です。

 ここに載っていない候補では、90年に入団し、キャリア最初の5シーズン、348試合をプレーしたデリック・コールマンが一番惜しいと思います。オールNBA 3rd×2、AS×1のPFをメインとするビッグマンです。

 しかし、PFではクライド・ドレクスラー時代のPORの2回のファイナル進出に貢献したことで知られる、バック・ウィリアムズの方がより傑出していると考えます。キャリア最初の8年間在籍し、ROY、オールNBA 2nd、オールディフェンシブ2nd、AS×3の活躍で、80年代の中堅時代を牽引しました。

 また、センターには球団の通算得点数1位のブルック・ロペスがいます。ちなみにウィリアムズとは僅か4点差です。AS×1と目立った実績はありませんが、8年に渡り高いレベルで安定した成績を残し、絶望的な再建過程を歩み始めた2015年以降のネッツにおいても(最後に残したトレードの対価を含め)多大な貢献を果たしました。ちなみに彼が3ptを習得し、「スプラッシュ・マウンテン」の異名を取るようになるのは、BKN最終年の2016-17シーズンからです。

 そのほか、PGのケニー・アンダーソンやデロン・ウィリアムス、SGのドラジェン・ペトロヴィッチ、2回のファイナル進出に貢献したドラフト1位PFのケニヨン・マーティン、そして記憶に新しいBIG 3のKD、カイリーの名前が挙がります。ペトロヴィッチはブレークから程なくして、事故により悲運の死を遂げ、球団の永久欠番になりましたが、あのまま彼のキャリアが続いていれば、実力で永久欠番になった可能性はあります。

 サイトによってはKDが選出されていますが、個人的には年数を考慮してジェファーソンでいいのかなと思います。2021年ECSFは伝説的ですが、それでも結果としてはファイナルに進出したわけでもないので、年数を覆し得るだけの貢献には足りないかなという判断です。(まぁ、彼と、延いては彼の対価で獲得したミカル放出で獲得したアセットを考えれば、球団史上最も偉大な男になる可能性はあります)

 

18.デンバー・ナゲッツ(DEN)

※ABA時代(DNA←なんか遺伝子になってる)は含みません。

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PG ラファイエット・“ファット”・リーバー Lafayette "Fat" Lever

SG デイビッド・トンプソン David Thompson

SF アレックス・イングリッシュ Alex English

PF カーメロ・アンソニー Carmelo Anthony 

C ニコラ・ヨキッチ Nikola Jokic

 

 どの媒体で見ても大体これです。惜しくも選外になった選手も少なく、23年のプレーオフで平均26得点と大活躍したヨキッチの相棒、ジャマール・マレー。メロのDENでの最盛期を支えたビラップス。あとはヨキッチ以前は最高のCだった後述のトンプソンの相棒ダン・イッセルや、DPOYを受賞しているマーカス・キャンビーくらいでしょうか。

 一応メロとヨキッチ以外を紹介すると、ファットという本人的にどうなんだって感じの愛称で知られるリーバーは、イングリッシュと共に80年代に活躍。AS×2に加え、オールNBA 2ndとオールディフェンシブ2ndを1回ずつ受賞した守備を得意とするガードです。DENでプレーした期間はそれほど長くないので、そのうちマレーに抜かれるかもしれませんね。

 トンプソンは大学バスケ史に伝説を残した選手。「スカイウォーカー」の異名通り、凄まじい身体能力を誇ったと言われます。ABA最終年にABAでキャリアを開始し、今回は評価に含めませんが新人王を受賞。翌年、チームのNBA編入に伴い、NBAキャリアをスタート。すると前年ABAで残したものと、ほぼ同じ成績を残し、若干22歳でオールNBA 1stに選出。翌年も1stに選出され、ASにも3年連続選出。

 しかし、彼のキャリアは悪い意味で70年代のNBAを象徴するとされています。それは、彼が薬物とアルコール依存に溺れ、早々にスター街道を踏み外しただけでなく、プロキャリア自体を29歳という短命で終わらせたからです。それでも球団の永久欠番に選ばれており、マイケル・ジョーダンがバスケットボール殿堂入りの際のプレゼンターに指名するなど、彼が憧れる選手でもありました。

 イングリッシュは80年代を代表するスコアラーであり、得点王1回をはじめ、DENでの10シーズンちょっとで平均25.9得点を記録しているスコアリング・モンスターです。35歳のシーズンでさえ26.5得点を記録しています。ヨキッチの登場以前にはDENの史上最高選手と呼ばれ、オールNBA×3、AS×8と受賞歴も中々です。

 以上、DENは特に異論を挟む余地もないと思うので次に行きます。

 

19.インディアナ・ペイサーズ(IND)

※ABA時代(INA←やっぱABAのAだな)は含みません。ちなみに今更だけど、この表記はBasketball Reference さんしか使ってません。

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PG タイリース・ハリバートン Tyrese Halliburton 

SG レジー・ミラー Reggie Miller

SF ポール・ジョージ Paul George

PF ジャーメイン・オニール Jermaine O'Neal 

C リック・スミッツ Rik Smits

 

 冒頭でも触れましたが、このチームはABA時代を含めない影響をモロに受けるチームです。(ポール・ジョージの略ではなくポジション的な意味での)PG、PF、Cを見て貰えば、その辺の事情は透けて見えると思います。

 ABAを含めるなら、PGはフレディ・ルイス、PFはジョージ・マクギニス、Cはメル・ダニエルズでほぼ確定です。

 ただ、NBAだけとなると、特にPGとCは難航します。

 まずPGについてですが、在籍僅か2年半でAS×2、オールNBA 3rd×1、アシスト王×1の現役エース、ハリバートン。彼を除けば、恐らくマーク・ジャクソンくらいしか候補がいません。INDではPG起用がほぼ0だったビクター・オラディポが候補に入るかもですが、彼が活躍した期間は、現役のハリバートンと大差ありません。

 マーク・ジャクソンはINDで94-95、95-96の2シーズンを過ごした後、トレードされ、翌96-97シーズンの途中にトレードで呼び戻されるという異色の経歴を持っています。ジャーニーマンとしてのイメージが強い彼ですが、INDでは5シーズン半プレー。大体、平均8得点8アシストくらいを残しました。通算アシストがNBA歴代5位だけあって、IND時代も流石のアシスト数ですが、やはり昨季のインパクトだけでも、ハリバートンの方が上と言っても大きな問題はないように思います。

 SGは球団史上最高選手のミラーで確定。SFも特に議論の余地なくPGことポール・ジョージで良いと思います。一応ダニー・グレンジャーやロン・アーテストも候補ですが、流石にPG相手では分が悪い印象です。

 PFについてですが、ジャーメイン・オニールで良いのかなと思います。東が弱かった時代とは言え、8年の在籍中6年連続AS、オールNBA×3と実績は十分です。ちなみにPG同様にMIPも受賞していますが、INDでは他にジェイレン・ローズ、グレンジャー、オラディポが受賞しており、5人はORLと並んで最多受賞チームです。

 最後にCですが、ここはいくつかの選択肢で悩みました。まずはミラーと共に12シーズン、867試合を戦ったスミッツ。センター全盛と言ってもいいかもしれない時代にあって、彼自身に目立ったところはありませんが、ASに1回選ばれています。

 次に2010年代の強豪時代において、PGと共にチームのDFを作り上げたロイ・ヒバート。7シーズンでオールディフェンシブ2nd×1、AS×2。

 現在まで9シーズン、570試合で活躍しているマイルズ・ターナー。オールディフェンシブに選ばれたことはありませんが、(DF全体の評価の議論はさておき)ショットブロッカーとしては優秀でブロック王を2回受賞。INDにおいて歴代ブロック数1位です。リーグを代表するストレッチビッグでもあり、イメージほど確率は安定していないものの、近年は1試合4本程度の3ptを撃ちます。

 また、そのターナーと同時起用されPF起用も多かったのが、ハリバートンとトレードされたドマンタス・サボニス。5シーズン弱を過ごしたIND時代にAS×2の実績を誇ります。父に似て非常にパスが上手い、ターナーとは違う形の現代型センターです。

 ここはかなり悩みましたが、通算試合数、通算得点数で共にミラーに次ぐ2位のスミッツを選出します。今後、ターナーハリバートンの横で活躍を続けると、意外と上回るかもしれません。

 こうして見ると、絶対的に華があるスーパースターはあまりいませんが、渋い玄人好みの選手を集めて、定期的に強豪を作り上げているところが、なんともINDらしいと思います。

 

20.ニューオーリンズペリカンズ(NOH,NOK,NOP)

※ハリケーンカトリーナの影響で一時的に、オクラホマシティを本拠地にしてた時期はニューオーリンズ/オクラホマシティ・ホーネッツ(NOK)でした。

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PG クリス・ポール Chris Paul

SG ドリュー・ホリデー Jrue Holiday 

SF ブランドン・イングラム Brandon Ingram

PF デイビッド・ウェスト David West

 C アンソニーデイビス Anthony Davis

 

 どうでもいい話ですが、個人的にペリカンズで好きなのはロンド、ホリデー、AD、カズンズとかいうロマン溢れるラインナップです。この年(2017-18)のカズンズ、平均ターンオーバー5と平均ファウル3.8は何事だよ。

 話を戻してニューオーリンズ・ホーネッツ及びペリカンズの歴代ベスト5です。取り敢えず確定枠はCP3、ホリデー、ADでしょうか。CP3はホーネッツを、ADはペリカンズを、それぞれ代表する絶対的エースですし、受賞歴も一切文句のつけようがありません。

 また、ホリデーについてはチームがイマイチ勝てないことで過小評価された時期もありつつ、7年在籍しオールディフェンシブ×2(1st×1)。歴史の浅いチームだけに、7年の在籍は大きいです。

 残りの2枠、まず先にPFの話をしますが、ここはウェストでいいと思います。8年在籍し、CP3の入団以降は彼の横で活躍。2000年代後半のNOHにおいて2ndオプションでした。恐らく現状、フランチャイズ史上最強の時期に貢献しており、ASにも2回選出されています。

 彼以外の候補としては当然ザイオン・ウィリアムソンの名前が挙がりますが…流石に実働年数不足ですね。気づけばキャリア5年、この夏24歳を迎えましたが、試合数は僅か184。プレーオフには出場したことすらありません(チームは2回出場していますが、彼は怪我で2回とも欠場)。契約額とドラフト前の期待に見合う活躍ができるか、今後に期待です。

 最後にSFですが、候補は3人。まずは2002-03、03-04シーズンに在籍したジャマール・マッシュバーン。彼の場合、大きな二つの不運が足を引っ張っています。一つは彼自身が怪我により03-04シーズンの19試合を最後に、全盛期真っ只中で現役を引退してしまったこと。そしてもう一つが、彼本人にはどうしようもない球団の移転なんですよね……。

 と言うのも、彼は「ホーネッツ」には2000-01シーズンから在籍しています。キッドらがいたDALでスコアラーとして活躍するも、仲違いから4年目にハーダウェイ、モーニングのMIAに移籍。そこで3シーズン半強豪チームに貢献するも、それは彼のポテンシャルを活かしているとは言い切れず。

 そんな中、00-01シーズンにエディー・ジョーンズのサイン&トレードに巻き込まれる形で「ホーネッツ」に移籍すると、彼は平均得点を20点に戻し、スコアラーとしての輝きを取り戻し、チームも前年に近い勝率を維持。そして、プレーオフでは1回戦で古巣MIAをスイープする「恩返し」をかますと、ECSFではレイ・アレンのMILをGAME 7まで追い詰めました。翌01-02シーズンも1回戦を突破し…。

 と、ここまで話しましたが、この2シーズン、彼が在籍した「ホーネッツ」は「シャーロット・ホーネッツ」。つまり、以前紹介した現「シャーロット・ホーネッツ」の歴史に含まれてしまう訳ですね。

 同じ事情でバロン・デイビスも不遇であり、彼もシャーロット時代を含めれば、ともすればホリデーに勝っていた可能性はあります。とは言えルールはルールです。今回彼の評価に含まれるのは2002-03シーズンのみ。この年、彼はキャリアイヤーを送り、キャリア初のオールNBA 3rdとASに選出されました。その後の顛末は先述の通りです。

 ちなみにFILAから発売された彼のシグネチャー・シューズは、グラント・ヒルやジェリー・スタックハウスのシグネチャー・シューズと共に、ここ数年で再販され、若者の間で人気を博しています。特にマッシュバーンは圧倒的に人気なイメージです。

 次に紹介するのはSACでも活躍したペジャ・ストヤコヴィッチ。相変わらずビッグシューターとして活躍し、実働3年と怪我に苦しみながら、CP3の全盛期に3rdオプションとして56勝に貢献。

 最後が、2024年8月8日現在もNOPに所属する(マレー獲得により移籍がほぼ確定とされるが、市場の停滞により、どうやら開幕はNOPで迎えそうな)イングラム。LALで3年間着々と成長し、平均18得点残した直後にADのトレードに巻き込まれ移籍。移籍してすぐ19-20シーズンに平均得点を23点に伸ばしMIPを受賞。ASにも選出されました。

 長い手足と高精度のミッドレンジジャンパーを武器とし、ここまでの5年で素晴らしいスタッツを残しています。が、彼の場合はチーム状況が微妙です。同じタイミングで入団したザイオンが故障続きで計算できず、フロントもチームの方針を決めあぐねている印象。なし崩しでエースになった感のあるイングラムは、26歳のシーズンを終えてプレーオフは僅かに2回。1回戦を突破したこともありません。21-22シーズン途中にベテランのCJ・マッカラムを加えたあたり、チームは数年前から「今、勝ちにいく」つもりであること自体は明確であるのに、結果が伴いません。(一応23-24シーズンは49勝とCP3退団以降では最高勝率ですが)

 イングラムザイオンの相性が良いとは言えず、優勝するためにはザイオンに全て賭けるしかない。「イングラムをSGとして出すより、彼を放出してトレイ・マーフィー3世、ハーバート・ジョーンズを先発させるべきだ」という意見も最近はよく聞かれます。(まぁ、マレーを獲得した影響でCJがメインポジションの2番に戻るので、どのみち悩みの種は残りますが)

 一方で、「いないザイオンより、いるイングラム」というような意見も(今や優勝に繋がらないとわかりきっている上に、なんやかんやで長くあったはずのコンテンドできる期間が気づけば短くなっているので)少数ですが聞こえてきます。

 話が歴代ベスト5から逸れましたが、とにかく現時点ではかなり評価の分かれる選手です。

 

 まとめると、

・カウントされるのはたった1年だが、チームのエースとしてオールNBA級の活躍をし、整っているとは言えない陣容のNOHをプレーオフに導いたリーダーのマッシュバーン

・怪我で実働は3年だし、3rdオプションのロールプレイヤーとしてではあるが、チームが最も強かった時期を支えたペジャ

・チームとしての結果は伴わず、全盛期を迎えていながら放出寸前だが、スタッツ、在籍年数の掛け算では群を抜いて上回っているイングラム

ということになります。

 この3人から私が選ぶなら、そうは言ってもイングラムですかね。マッシュバーンを選びたい気持ちはありますが、やはりイングラムが5年間で残した攻撃面でのスタッツは無視できません。

 ということで、全30チームの中でもぶっちぎりに最近の選手で構成されたベスト5が完成しました。多分、CHAには勝てるくらい強いと思います。なんならINDにも勝てるか?

 

 これで20チームの選出が完了しました。残りは10チーム。次回はPistons,Raptors,Rockets,Spurs,Sunsの5チームです。ぶっちゃけると、ラプターズは選択肢ないし、ロケッツ、スパーズもほぼ確定しているので、悩むのは2チームだけです。

 次回はサクッと終わるといいな!今回はやっぱり、やる前からわかってたけど前回と同じくらい長くなってしまったので。

 それではまた次回!

NBA各チームのAll Time Starting 5を考える会③ Jazz,Kings,Knicks,Lakers,Magic編

 お疲れ様です、なつです。

 早くも第3弾。折り返し地点です。今回はタイトル通り、ジャズ、キングス(ロイヤルズ)、ニックス、レイカーズ、マジックの歴代ベスト5を選出していきます。ルールは第1回の冒頭に記載しているので、そちらを参照ください。

 今回は前回と打って変わって、歴史が長いチームが多いので割と苦労しました。正直聞き馴染みのない選手が割といるキングス、逆に名選手が多すぎてかなり悩んだレイカーズなど様々。それでは早速紹介していきます。

 

11.ユタ・ジャズ(NOJ,UTA)

ニューオーリンズ・ジャズというチーム名が良すぎて、ユタ移転後も土地に無縁のジャズ名乗ってんの改めてしっくり来ない。

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PG ジョン・ストックトン John Stockton

SG ピート・マラビッチ Pete Maravich

SF エイドリアン・ダントリー Adrian Dantley

PF カール・マローン Karl Malone

C  ルディ・ゴベア Rudy Gobert

 

 今回紹介する中では比較的議論の余地が少ないチームです。

 74年にニューオーリンズで始まったジャズの歴史ですが、改めて調べた結果、ストックトン&マローンの時代が長すぎて、案外と時代の整理が簡単なことに気づきました。これ以降では、デロン・ウィリアムス&カルロス・ブーザーの時代、ドノバン・ミッチェルとルディ・ゴベアの時代があり、逆に言えば、この3つ以外特筆すべき時期はありません。一応、ストックトン&マローン時代の前には、弱小から強豪への過渡期にあたる80年代前半はありますが。

 順に紹介しますが、ストックトン&マローンに説明いりますかね?

 ストックトン、生え抜き一筋、通算アシスト、通算スティールがNBAで歴代ぶっちぎり1位。

 マローン、歴代屈指のスコアリングビッグで、レギュラーシーズン通算得点数歴代3位(23-24シーズン終了時点)。

 2回のNBAファイナル進出を果たした、2人揃って史上最高クラスのコンビです。

 SGのピート・マラビッチは「ピストル・ピート」として知られる…この話前にしたな。ニューオーリンズ時代のエーススコアラーであり、5年在籍し、オールNBA×3(1st×2)、AS×3の実力者でしたが、発足当初のチームでは勝利に恵まれず。ユタ移転から程なくして移籍。そのシーズン終了と共に引退しました。

 SFのダントリーはマラビッチの退団直前の79-80シーズン開幕前にトレードで入団し一躍ブレーク。ストックトン入団2年後、マローン入団の1年後の85-86シーズンオフに退団した、言わば狭間の世代である80年代のエースです。時代を代表するスコアラーでUTAでの7シーズンで平均29.6得点と圧倒的な得点力を見せ、得点王も2回。オールNBA×2、AS×6と素晴らしい活躍を見せました。このフランチャイズNBAで戦えるようになるまでの過程を支えた選手です。

 最後にCのゴベアについてですが、9シーズン、611試合プレーし、オールNBA×4、ディフェンシブ×6(1st×6)、DPOY×3、ブロック王×1と素晴らしい実績です。

 メディアによっては80年代にダントリーと共に活躍し、11シーズン、875試合プレーしたマーク・イートンを挙げています。こちらも守備型Cで6.0/7.9/1.0/0.4/3.5(!?当然歴代最高の平均ブロック数です)と守備特化の成績。AS×1、ディフェンシブ×5(1st×3)、DPOY×2、ブロック王×4の実績は圧巻です。また、85年には今なおリーグ記録のシーズン5.6ブロックも記録しています。通算ブロック数はオラジュワン、ムトンボ、ジャバーに次ぐ4位です。余談ですが、ジャバーのキャリア最初の4年はブロック数がスタッツとしてカウントされていませんでした。

 守備面での受賞歴について、

「ゴベアが活躍した2010年代は攻撃特化のスタイルが進んだ影響で守備型選手が少なく、受賞が簡単だった」

という意見も分からんでもないですが、それに関しては

「攻撃力の低い選手が生き残りにくい時代に、守備を最大の武器にリーグ上位のCに位置している」

という反論もできるので、取り敢えずイーブンとして一旦放置。その上で、オールNBAの受賞歴を見て評価しました。攻撃面はゴベアがイートンを上回っていますし。専らラジコンですが。彼のポストプレーはなんとかならならないんですかね。

 またメディアによっては候補にすらゴベアの名前を挙げず、メメット・オカーの名前を挙げているものもありましたが、流石にこちらは論外です。確かにオカーは2000年代という早い時期にストレッチ性を発揮した素晴らしい選手で、特に現代にいたら当時以上に活躍したであろうストレッチ5ですが、受賞歴はAS×1です。実働も6年程度ですし。

 ゴベアが何かと嫌われやすい選手なのは承知の上ですが、流石にここで候補にすら挙げないのはバイアスかかってないか?とすら思います。

 他に惜しくも選外となった選手はD-Willことデロン・ウィリアムス、AK-47ことアンドレイ・キリレンコカルロス・ブーザー。いずれも2000年代に活躍した素晴らしい選手ですが、流石にストックトン、ダントリー、マローンが上です。

 

12.サクラメント・キングス(ROC,CIN,KCO,KCK,SAC)

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PG オスカー・ロバートソン Oscar Robertson

SG ミッチ・リッチモンド Mitch Richmond 

SF ジャック・トゥイマン Jack Twyman 

PF クリス・ウェバー Chris Webber

C ジェリー・ルーカス Jerry Lucas

 

 前身のシンシナティカンザスシティ時代を含め、歴史の長さのわりに強かった時期がロバートソンの60年代、ウェバーらの2000年代前半、そして現在くらいしかないので、非常に難しかったのが、このチームです。ある意味ホークスに似ています。

 まずはガードから。MILの項でも触れましたが、PGのロバートソンはもはや説明不要の球団史上最高選手で、シーズン平均トリプルダブルも達成したNBA歴代No.3のPG。

もう一人の枠をリッチモンドとタイニーことネイト・アーチボルドが争うことになります。

 ピーク時の実力で言えばアーチボルドの方が上かも知れません。70-71〜75-76シーズンの6シーズン在籍し、オールNBA×4(1st×3)、AS×3、得点王×1、アシスト王×1。特筆すべきは史上唯一得点王とアシスト王の二冠に輝いた点です。(一応平均で言えばロバートソンも達成していますが、当時は平均でなく通算でタイトルが決まっていたので、彼は受賞していません)ちなみにプレーオフ進出は1回。

 対するリッチモンドは90年代に7シーズン在籍し、オールNBA×5、AS×6とアーチボルド同様に低迷するチームを牽引し続けました。素晴らしいスコアラーでありつつ、ゲームメイクもこなし、3PA 4.8で3P%は40.4%とシューターとしても優秀。非常に器用な選手です。ちなみにプレーオフはアーチボルドと同じ1回。

 単に受賞回数を比較するのであればリッチモンド、これまで通り1stチームを重く見るのであればアーチボルドと言った感じですが、個人的には大差を感じないので、アーチボルドがロバートソンと同じPGであることを鑑みて、リッチモンドを選出しました。

 続いてフロントコートですが、こちらは、候補が多く大変でした。取り敢えず確定で選出される2000年代のエース、クリス・ウェバー以外を年代順に紹介します。ちなみにウェバーは私が歴代で2番目に好きな選手です。現役時代は見ていませんが。

 まずはCのアーニー・ライゼン。50年代、ジョージ・マイカンの時代に活躍した選手で6シーズンでAS×4。球団史上唯一の優勝にも貢献。まぁ、この人に関しては一部メディアで名前が挙がってたから名前を出しましたが、個人的には真っ先に除外してます。リーグのレベルがあまりにも低い時代ですし、その上で受賞歴にもマイカンやドルフ・シェイズみたいな飛び抜けたものがないので。

 続いてSFのジャック・トゥイマン。55-56〜65-66の計11シーズンと長くロイヤルズ一筋でプレー。19.2/6.6/2.3のスタッツを残し、オールNBA 2nd×2、AS×6とロバートソン時代を支えました。出場試合数はチーム歴代2位です。

 トゥイマンと同じく(在籍期間はあまり被りませんが)ロバートソン時代のフロントコートを支えたのが63-64〜68-69の6シーズンプレーしたPF・Cのジェリー・ルーカス。19.6/15.6/3.3と素晴らしいリバウンダーであり、この時代のビッグマンとしては多いアシストも特筆すべき点です。オールNBA×5(1st×3)、AS×6と、このリストの中では飛び抜けた受賞歴です。

 次は69-70〜80-81の11シーズンでプレーしたサム・レイシー。そのキャリアで特筆すべきスタッツや受賞歴はなく、AS×1だけ。しかし、出場試合数、通算リバウンド、通算スティール、通算ブロックで球団記録を持っています。当時の環境を鑑みても、FG%がビッグマンの割に低かったり、いくらなんでもずば抜けた能力が無さすぎたりと、評価に困る選手ですが、70年代低迷するキングスを支えた、フランチャイズの歴史に確実に必要不可欠な選手です。

 時代は一気に飛んで2000年代SAC。SFのペジャ・ストヤコヴィッチフランチャイズ史上最高の時代を支え、優れたシューターとして知られる彼は、8シーズンプレーし、オールNBA 2nd×1、AS×2。2000年代フロントコート、特に西は化け物揃いなので受賞歴は控えめですが、シーズンによってはウェバーを上回ってリーディングスコアラーになったりと、非常に高い貢献度を誇りました。

 次に皆さんお馴染みの2010年代のエースセンター、デマーカス・カズンズ。今は台湾で無双してます。7シーズン弱の在籍期間で、オールNBA 2nd×2、AS×3。スキルフルなビッグマンの先駆けとして存在感を放ちました。彼の在籍期間にチームが全く勝てていなかったり(このフランチャイズは基本常にそうですが)、ターンオーバーやファウルが多かったりと弱点や批判の多い選手ではありますが、確かにフランチャイズ史に残る選手です。

 そして最後の候補が現在もSACでプレーするドマンタス・サボニス。2シーズンちょっとの在籍で、AS選出こそありませんが、リバウンド王×2とオールNBA 3rd×2。来季以降の活躍にも期待が掛かります。

 既に上に書いたように今回、私が選出したのはSFトゥイマン、PFウェバー、Cルーカスです。選出傾向としては受賞及びAS選出回数優先ってとこですかね。2000年代の西、それもフロントコートの魔境っぷりを考えると、トゥイマンとペジャは入れ替えてもいいかもです。

 

13.ニューヨーク・ニックス(NYK)

↑創設以来名前と本拠地が変わらないチームは楽で良い

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PG ウォルト・フレイジャー Walt Frazier 

SG アラン・ヒューストン Allan Houston

SF カーメロ・アンソニー Carmelo Anthony 

PF ウィリス・リード Willis Reed

C パトリック・ユーイング Patrick Ewing

 

 先に言っておきます。SFは、上記のフレイジャー、リードやアール・モンローと共に70年代前半の黄金期を築いたデイブ・ディバッシャー(Dave DeBusschere←なんだこのスペル!?)を選んだ方がいいかも知れません。

 球団の歴史はやたら長く、本拠地は聖地と呼ばれ、人気もバカみたいに高いのに、フロントは結構やらかすし、そのおかげで圧倒的に強い時期はそんなに長くない。NBA阪神タイガースとしてお馴染み(んなことはない)のNYK。ちなみに通算では負け越しです。阪神は勝ち越してます。

 このチームからベスト5を選出しようとすると、候補は自然と2回の優勝(球団史上、優勝はこの2回だけ)を果たした70年代前半のチームか、黄金期ブルズと幾度となく激突した90年代の強豪時代からになりがちです。

 クライドの愛称で知られるPGのフレイジャーは70年、73年の優勝にエースとして貢献。NYK一筋で12シーズンちょいプレーし、オールNBA×6(1st×4)、ディフェンシブ×7(1st×7)と攻守に貢献。後述のリード、ユーイングと並んで球団史上最高の選手の1人です。

 同じく70年代の優勝に貢献したチームの大黒柱がリード。Cとしては決して恵まれたサイズではないものの、MVP×1、オールNBA×5(1st×1)、ディフェンシブ 1st×1、そしてファイナルMVP×2と大活躍。70年ファイナルのGAME 7で足を引きずったリードが試合に先発したシーンは、恐らく球団史上最高の名シーンでしょう。(当時を覚えている人は今やかなり少ないでしょうが)

 90年代からは今なおニューヨーカーにこよなく愛されている、ニューヨークの魂ユーイング。オラジュワン、ロビンソンなど歴代屈指のビッグマンがひしめく90年代をフィジカルに戦い、時代No.3のCとして活躍。70年に並び球団史上最多の93年の60勝や、94年のNBAファイナル進出に貢献。15年在籍し、オールNBA×7(1st×1)、ディフェンシブ×3、AS×11と素晴らしい実績を残しました。

 

 で、問題が残り2枠なんですが。候補としてはガードではアール・モンロー、マーク・ジャクソン、ジョン・スタークス、アラン・ヒューストンが挙げられます。ただ、ほか3人が純粋なSGなのに対し、ジャクソンは明確にフレイジャーと同じPGなので今回は除外します。

 モンローは71-72シーズン開幕直後、ライバルチームのボルチモア・ブレッツから、まさかのトレードで入団。その後、9シーズン598試合に渡りプレーし、73年の優勝に貢献。ASに2回選出。華はありませんが、攻撃の2ndオプションとして貢献しました。

 残る2人はユーイング時代を知る選手。レジ打ちから這い上がったドラフト外選手として知られるスタークスは、90-91〜97-98シーズンに在籍。ユーイング時代を大いに支え、ディフェンシブ×1、AS×1。96-97シーズンにはヒューストンの獲得に伴い、シックスマンに転身し、シックスマン賞を受賞しました。

 ヒューストンは96-97シーズンに移籍してくると、スタークスの先発の座を奪う形で活躍。高精度のアウトサイドを武器とするスコアラーで、99年のミラクルニックスがファイナル進出を果たす上で立役者の1人になりました。翌99-2000、00-01シーズンにはASに選出。大型契約も結び、チームの顔になりますが、01-02シーズンからチームが急降下。暗黒期が始まります。

 更に余談にはなりますが、自身も思わぬ形で後世に汚名を残すことになります。03-04シーズンに膝を負傷し、04-05シーズン終了後にはその影響で引退。結果、彼の莫大すぎる契約に対する贅沢税だけが残りました。これに端を発し、アムネスティ条項が生まれ、これが(それほど本人のせいでもないのに)「アラン・ヒューストン・ルール」と呼ばれる非常に不本意な結果になりました。ちなみに、彼の契約にはこのルールは適用されませんでした。この一件もあって、「史上最悪の契約」として、しばしば彼の名前は挙がりますが、彼自身は間違いなくフランチャイズに名を残す良い選手です。

 出場試合数は602で、なんとスタークスと全く一緒です。ていうか、この3人は試合数にほぼ違いないんですよね。あとヒューストンは通算得点が球団史上4位だったりします。

 話がそれましたが、結論としては私はヒューストンを選出します。大体のメディアがモンローを選出する中、ある媒体がモンローでなくヒューストンを選出しているのを見た時、「ノスタルジーに浸る30代が選んだのか?」とだいぶ失礼なことを考えましたが、よくよく見るとモンローってイメージほど活躍してないんです。特に70年代という時代背景を考えると尚更。

 70年代はABAが全盛の時代で、人気や実力のある選手が二分されていた時期です。NBAにとっては、ある種暗黒期と言えるほど人気がなく、またスター選手も少なかった時代です。

 それを踏まえて、今回は定石を外し、ヒューストンという攻めた選出にしました。異論は認めます。というか、(ポジションの都合もあるとは言え)彼がNYKのトップ5選手と言われるとやっぱり違和感ありますし。

 長くなってしまいましたが、次はフロントコートから残り1枠を争う選手。個人的には先述のディバッシャー、82-83〜83-85の実質3シーズンのみ活躍したバーナード・キング、そしてご存知メロの三択かなと思います。

 ディバッシャーは70年代の2回の優勝に貢献し、途中加入を含む在籍6シーズンでディフェンシブ1st×5、AS×5と、モンローをも上回る実績を誇ります。

 キングは怪我に苦しみましたが、実働3年でオールNBA 1st×2、AS×2に輝いたスコアラーで、得点王も獲得。84年には優勝を果たすバードのBOSをGAME 7まで追い詰めました。

 そして、ある意味NYK暗黒期の象徴となってしまっているのがメロ。先にネガティヴなことから言うと、2010-11シーズン途中から16-17シーズン終了までの彼の在籍期間中、彼は6年連続ASに選出されていますが、彼のプレーに「意味があった」期間は12-13シーズンまでの2年と少しだけです。残りの4年は、チームは比較的弱い東にありながらプレーオフなど夢のまた夢という最悪の状況でした。それら全てがメロのせいというのは酷ですし、最大の責任はオーナーはじめフロントにありますが、DENからの移籍に伴ってNYKがガリナリはじめ大量のアセットを出したという背景や、彼のリーダーシップや振る舞いを踏まえると、彼への批判も的外れではありません。ディバッシャーと対照的にDFはリーグ最悪クラスですし。

 で、それらを踏まえても彼を推す理由は、やはり12-13シーズンに尽きます。この年のNYKはキッドらベテランの活躍が光り、54勝で99-2000シーズン以来の50勝を達成。(54勝はユーイングが健在だった96-97シーズンに挙げた57勝以来)メロ自身も、KDを破って自身初の得点王、そしてオールNBA 2ndに選出(NYKでは唯一にしてキャリア最後のオールNBA)。MVP投票ではレブロン、KDに次ぐ3位。プレーオフではECSFでINDに敗北するも、1回戦突破は13年ぶりでした。

 根拠としては薄い気がしますが、先述の70年代の時代背景も考慮し、私はピーク時の実力を考えてメロを選出します。

 

 

14.ロサンゼルス・レイカーズ(MNL,LAL)

↑ジャズほどじゃないが、ミネアポリス離れたのに今や大都会LAで「湖の町」名乗ってるのジワるな

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PG マジック・ジョンソン Magic Johnson 

SG コービー・ブライアント Kobe Bryant 

SF エルジン・ベイラー Elgin Baylor

PF カリーム・アブドゥル・ジャバー Kareem Abdul-Jabbar

C シャキール・オニール Shaquille O'Neal 

 

 BOS同様、歴史がクソ長い上に、優勝回数もバカ多い超名門なので殿堂入り選手もアホみたいに多く、その上BOSほど明確に「この5人やろ!」みたいな枠も少なく、間違いなく一番悩んだし、今でも納得できていないのがLALです。強いて言えばマジックとコービーだけは最初から確定していました。あとジャバーも流石に確定でええやろ…と思ってます。

 誰を落としても燃える気しかしないので、今回選外になった選手を並べていくと、

 

ジョージ・マイカ

ジェリー・ウェスト

ウィルト・チェンバレン

ジェームズ・ウォージー

パウ・ガソル

レブロン・ジェームズ

アンソニーデイビス

 

 まぁ、ウォージー、パウ、ADは置いておくにしても、特にウェストとレブロンを外したことには納得はいっていません。レブロンとか外したら、ぶっ○されそうだし、ウェストはNBAのロゴになったほどの選手であり、ベイラーと並んで「レイカーズの象徴」だった男です。

 ただ、マジック、コービー、ジャバーが抜けない中、次に誰を入れるとなった時に、個人的には2000〜02のLALの3連覇(というか疑惑に塗れた00年と02年の優勝)をさほど評価してないのですが、それでも3回のFMVPという実績を残したシャックを選ばないわけには行きません。癪ですが(シャックだけに)。ジャバーと同じCですが、ポジションを歪めてまで、入れる必要があるのかなと思います。

 で、残りの1枠をエルジン・ベイラー、ジェリー・ウェスト(ウェスト選出の場合はSGとし、コービーをSFにシフト)、レブロン・ジェームズで争うことになります。なんだこのハイレベルすぎる争い。

 で、各選手を取り敢えず在籍期間で比較すると、実質12シーズン846試合をLAL(前身のMNL含む)一筋でプレーしたベイラー、14シーズン932試合をLAL一筋でプレーしたウェスト、34歳からの6シーズン349試合をプレーし、現在もLALに在籍するレブロン

 やはりフランチャイズプレイヤーでないという点で、レブロンはだいぶ不利です。受賞歴を見てもオールNBAの回数は当然のこと、1stチーム選出回数でも自身がすでにベテランに差し掛かっていること、60年代と比べたリーグのレベルの上昇が影響して大差があります。

 ですが、レブロンには「エースとしてチームを優勝に導き、FMVPを受賞した」という2人、特にベイラーにはない強みがあります。ウェストは72年に優勝していますし、69年にはFMVPを受賞していますが、こちらのFMVPは史上唯一の敗退したチームからの選出です。

 また、一部ファンの間では2020年のリングを「ミッキー・マウス・リング」と揶揄する声もありますが、私はあのリングの価値を例年に比べて低いものだと“全く”考えていません。

 とは言え、流石に長年チーム一筋で、フランチャイズの象徴を務めた2人を押し退けてレブロンを入れるのもなんだか気が引けるので、他2チームで選出されていることも踏まえて、レブロンには今回は遠慮してもらいました。

 で、どちらを選ぶかですが、選手単体で見た時、歴代ランキングで上なのは個人的にはウェストです。しかし、彼はどう考えてもガードだし、コービーをSFにするのは、やはり美しくない。ということで、ベイラーを選出しました。

 正直、LALに関してはベイラー、ウェスト、ジャバー、マジック、シャック、コービー、レブロンの7人から好きな選手を並べておけば、あとは好みの問題だと思います。「ジャバーのPF起用が嫌だ!ポジションは綺麗に嵌めたい!」ということであれば、シャックOUT、PFにレブロンINでも良いと思います。

 

15.オーランド・マジック(ORL)

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PG アンファニー・ハーダウェイ Anfernee Hardaway

SG ニック・アンダーソン Nick Anderson

SF トレイシー・マグレディ Tracy McGrady

PF ドワイト・ハワード Dwight Howard

C シャキール・オニール Shaquille O'Neal 

 

 今回の最後はORLです。先程と打って変わり、歴史がかなり浅いので、4人は確定として残り1枠を誰で埋めるかでめちゃくちゃ悩みました。

 まず確定枠の4人を軽く説明。

 アンファニー・ハーダウェイ、通称ペニーは「ジョーダンの次のリーグの顔」「マジックの再来」とも期待されながら、怪我により誰もが想像したようなキャリアを過ごせなかった悲運の大型ガード。しかしオールNBA×3、しかもキャリア2年目と3年目に1stチームに選出され、2年目にシャックと共にファイナルに進出した実力は伝説的です。

 シャックはキャリア最初の4年しかORLにいませんでしたが、その間に残した実績はペニー同様圧巻です。しかしまぁ、モーニングと言い、この頃のエクスパンションチームに入った若手ってフランチャイズに残らないよな。

 マグレディ、通称T-Macは時代を代表し、時にはコービーさえ凌駕する歴代屈指のスコアラーとして活躍。在籍4年で得点王×2、オールNBA×4(1st×2)。ちなみに歴代ランキングではSGとして出てくることが多いですし、Basketball ReferenceではORL時代はSG起用がほとんどとされていますが、何故かネット上のベスト5企画ではSF扱いでしか見かけない選手です。

 そして2000年代に活躍したORL史上最高の選手がドワイト・ハワード。メロ同様、移籍の経緯が最悪だった上に移籍後のキャリアもアレなので、メディアからも嫌われていますし、認めたがらない人も多いですが、ORL史上最高の選手は現状間違いなくハワードです。シャックが選出されることが多いですが、在籍年数等を考慮すれば議論の余地があるかすら怪しい。90年代より東のレベルは落ちているとは言え、ちゃんとファイナルにも進出していますしね。

 

 で、残り1枠。ペニーをPGとして扱うかSGとして扱うか、T-MacをSGとして扱うかSFとして扱うか、で1〜3番のどのポジションの選手でも無理なく選出できます。

 ちなみにポジションの都合で選外になった選手がニコラ・ブーセビッチ。いくら、あの外角からのシュート力があっても、ほとんどCとしてしか出たことがない選手は極力SF扱いしたくないので。

 そして残った候補が、ハワード時代を支えたPGのジャミーア・ネルソン、創設当初から在籍しシャック&ペニーの結成と崩壊を見届けたSGのニック・アンダーソン、ハワード時代のキーマンでシューティングビッグマン(SF)のターコルー。

 この中から私はアンダーソンを選びました。まず主力として貢献した期間を考えてターコルーを除外。

 在籍年数やパッと見の成績はネルソンと大差ありませんが、サイズの違いに起因するDF能力の差からか、アドバンスド・スタッツが僅かに上回っている点などが理由です。あとは単純にペニーはPG起用の方がロマンあるよねってだけの話です。

 

 

 以上、今回の5チーム終わり!!長い!!マジで長い!!もし読んでる人がいたら、よく読んだな!大変だよこれ、すごいよ!

 

 次からはもっと楽にやりたいです。次の5チームはMavericks,Nets,Nuggets,Pacers,Pelicans の5チームです。もう今からめんどくさいのが分かりきってるチームが3つほどあって笑えてきます。

 ではではまた次回!

NBA各チームのAll Time Starting 5を考える会② Clippers,Grizzlies,Hawks,Heat,Hornets編

 なつです。この企画2回目です。タイトル通りに5チーム紹介します。今回はATL以外、かなり悩む余地が少なかったような気がします。3チームがエクスパンションなので、それも当然の話なのですが。

 第1回は以下のリンクから。ルールも冒頭に書いてあります。

https://andonutstabetai.hatenablog.com/entry/2024/08/06/221258

それでは第1回で説明したルールを踏まえて早速行きましょう。

 

6.ロサンゼルス・クリッパーズ(BUF,LAC)

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PG クリス・ポール Chris Paul

SG カワイ・レナード Kawhi Leonard

SF ブレイク・グリフィン Blake Griffin

PF エルトン・ブランド Elton Brand

C ボブ・マカドゥー Bob McAdoo 

 

 まず先に言わせてください。第1回冒頭で説明した「ポジションのバランス」云々のルールどこ行ったん?フロントコート全員PF・Cタイプのビッグマンやんけ。あとカワイSGってどうなん?

 って思うじゃないですか。でも、マジでこれくらいしか選択肢ないんですよね。と言うのも、LACひいてはその前身のサンディエゴ・クリッパーズバッファローブレーブスを語る上で、フロントコートの3人ってどうしても外せないんですよ。

 最も選外になる可能性が高いのはブランドですが、超弱小時代のLACを毎年20得点10リバウンドで支え、オールNBA 2nd×1、AS×2に輝き、かつ2005-06シーズンにはチームをWCSFに導いて、ナッシュ時代のPHX(アマレ抜き)をGAME 7まで追い詰めました。プレーオフはその一回きりですが、タレントがいない中、7年チームを支えたことを考えると、後述のポール・ジョージより上だと感じます。

 で、もう一つの問題がSGにまともな候補がほぼいない。LAC最盛期のロブシティ時代、SGと言えばレディックとクロフォード。超優秀なロールプレイヤーですが、歴代ベスト5には微妙。ブレーブス時代にはランディ・スミスという9シーズンプレーし、ASに1回という優秀な選手もいましたが、流石にカワイよりは下だと思います。確かに21年以降のカワイはプレーオフには必ず怪我で消える男ですが、なんやかんや受賞歴はそこそこあります。ちなみにBasketball Referenceで調べた結果、ここ数年のカワイは40%超がSG扱いになってるみたいです。しっくりは来ませんが。

 最後にSFグリフィンについてですが……、まぁ彼のハンドリングやアシスト能力ならやれるでしょ!

 で、惜しくも選外はDJことディアンドレ・ジョーダン。あとはPGことポール・ジョージ。一瞬、ウィングをカワイ&PGにして、ブランドを選外、グリフィンを正規ポジションのPFにする案も考えましたが、流石にブランドを外してPGを入れるのはちょっと…と考え直しました。PGも5年でオールNBA 3rd×1、AS×3、21年POでは球団史上唯一のWCF進出に貢献と、実は結構頑張っているんですが。

 

7.メンフィス・グリズリーズ(VAN,MEM)

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PG マイク・コンリー Mike Conley

SG トニー・アレン Tony Allen

SF パウ・ガソル Pau Gasol

PF ザック・ランドルフ Zach Randolph

C マルク・ガソル Marc Gasol

 

 これも(どうせ誰も読んでないけど)考えられそうな反応を先に言います。

 

「またフロントコート全員PF・Cタイプやんけ」

「SFならシャリーフ・アブドゥル・ラヒームおるやろ」

「ジャ・モラントどこ行ったんや」

 

 まず一つ目について。しゃーないねん。本当に、この3人を抜くことが不可能なんです。LACと一緒です。なんなら、あっちより顕著に、この3人が明確な球団トップ3選手だから抜けないんです。パウのSFは怪しいと思いますが、得意なパス能力で頑張ってもらいます。

 で、モラントについて。正直、トニー・アレンと迷いましたが、それでもMEMで7シーズン、462試合プレーし、オールディフェンシブ×6。球団側からは永久欠番にすることが発表されている(本人の意向でセレモニー延期中)"Grit and Grind"の象徴的選手である彼を抜くのはどうかと思い、モラントではまだ時期尚早と判断しました。言うてもモラントって実働4年なので。

 てなわけで、歴史が浅いチームということもあり、Grit and Grind時代+パウという構成に落ち着きました。(テイショーン・プリンスとかのことも忘れてないよ)

 

8.アトランタ・ホークス(TRI,MLH,STL,ATL)

↑地味に移転が多く、略称も多いが後ろ二つ以外使うことないので特に関係ない。

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PG レニー・ウィルケンズ Lenny Wilkens 

SG ジョー・ジョンソン Joe Johnson

SF ドミニク・ウィルキンス Dominique Wilkins

PF ボブ・ペティット Bob Pettit

C ディケンベ・ムトンボ Dikembe Mutombo

 

  全チームトップクラスに悩んだのが、このホークスです。歴史クソ長いし、その上でペティットとウィルキンス以外さほど突き抜けた選手もいなければ、王朝を築いたこともない。てかペティットがいたセントルイス時代以降、優勝したことないし、そもそもアトランタ移転以降ファイナルにも進出していない。

 結果、選ばれた5人のうちウィルケンズはAS×5ながらオールNBAに選出されたことがありません。

 ウィルケンズは1960-61シーズンから在籍し、アトランタ移転と同時に移籍するまで8年プレー。ぼちぼち強豪のセントルイス・ホークスを牽引しつつも、毎年プレーオフではウェスト&ベイラーのLALや、リック・バリーのSFWに負けていました。

  ジョンソンは「アイソ・ジョー」として知られた割と最近の選手。馴染みのある人も多いはず。全盛期である2000年代後半をATLで過ごし、6年連続AS選出。オールNBAも1回。正直、今回調べるまで、ここまで球団史で高い位置になるとは思いませんでした。

 ウィルキンスとペティットは先述の通り、実績がずば抜けているので、2人について名前で軽く検索して貰えば大体わかります。

 ムトンボについては、在籍が4年半とかなり短いのですが、その間にオールNBA×1(シーズン後半で移籍した01年含めば2)、AS×4、DPOY×2、オールディフェンシブ×3と歴代屈指のディフェンダーであることを証明しました。

  惜しくも選外となった選手は、ピート・マラビッチ。ルー・ハドソン、クリフ・ヘイガン、ポール・ミルサップ、アル・ホーフォード、そしてトレイ・ヤング。

  マラビッチは「ピストル・ピート」の異名で知られた往年のスコアリングガード。NCAAのスーパースターとして知られ、NBAキャリア最初の70-71〜73-74の4シーズンをATLで過ごしました。実力的には恐らくウィルケンズを軽く凌ぎますが、いかんせん年数と受賞歴に乏しいです。

 スイングマンのハドソンはセントルイスで2年活躍したのち、アトランタ移転後は9年に渡り本格的にエースとして活躍。しかし、本人の活躍とは裏腹に、チームは東に編入されたことで、70年代当時強豪だったハブリチェックのBOSやフレイジャー&リードのNYKに阻まれ続けました。在籍年数4年の差を考慮し、ジョンソンと入れ替えも可能です。

 ヘイガンはラッセルが支配した60年代に活躍したSF。STLで10シーズンプレーし、オールNBA×2、AS×5と実績はジョンソンを上回るかもしれませんが、スタッツ的にSGに置くタイプに見えなかったので、選外です。

 ミルサップとホーフォードは共に15年の球団史上最高60勝に貢献した10年代のフロントコート。特にCのホーフォードは9年在籍し、AS×4とムトンボを上回る継続性でしたが、ピーク時の評価を考えて、ムトンボを優先しました。

 最後にトレイ・ヤングですが、このままATLでプレーを続け、今まさに行なっている短期的再建が上手くハマれば、案外簡単に球団史上最高のPGになれるかもしれません。頑張れ!

 

9.マイアミ・ヒート(MIA)

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PG ティム・ハーダウェイ Tim Hardaway

SG ドウェイン・ウェイド Dwyane Wade 

SF ジミー・バトラー Jimmy Butler

PF レブロン・ジェームズ LeBron James

C アロンゾ・モーニング Alonzo Mourning 

 

↑何回見てもDwyaneってスペルに納得がいかない

 

 先に惜しくも選外になった選手を紹介すると、シャックことシャキール・オニールクリス・ボッシュです。

 流石に3回優勝している上、強豪の時期が長いこともあって、エクスパンションチームとは思えないほど豪華。ボッシュを入れられないのは惜しいですが、基本的にこの5人で議論の余地はないのではないでしょうか。

 この5年の貢献、特に2回のファイナル進出を考えると、ジミーを外してボッシュをPF、レブロンをSFと言うのは流石に違うと思いますし。

 

10.シャーロット・ホーネッツ(CHA)

↑恐らくどの時期も略称はCHAだが、88年から2002年までの時代をCHH、ボブキャッツ時代をCHA、ボブキャッツの流れを汲む現ホーネッツをCHOと評価するサイトもある。というか、Basketball Reference さんがそうしてる。

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PG ケンバ・ウォーカー Kemba Walker

SG デル・カリー Dell Curry

SF グレン・ライス Glen Rice

PF ラリー・ジョンソン Larry Johnson

C アロンゾ・モーニング Alonzo Mourning 

 

 はい、2チーム連続のモーニング。このチーム、エクスパンションの数チームの中でもハッキリと、明確に弱い。

 まぁ、間違いなく21世紀で現状一番酷いフランチャイズなので仕方なし。(一応今のホーネッツは応援してるので、アンチと勘違いしないで欲しい)それと、分かりきった補足ですが(上でも少し触れましたが)今回含めているのは88年から2002年まで存在した「シャーロット・ホーネッツ」、04年に生まれたシャーロット・ボブキャッツ、そしてボブキャッツの流れを汲む現在の「シャーロット・ホーネッツ」の選手です。ニューオーリンズ・ホーネッツの選手はペリカンズの選手に含みます。(その都合でジャマール・マッシュバーンやバロン・デイビスらのキャリアが二分され、割を食っています)

  PGのケンバは球団史上最高の選手。文句なし。

 SGのカリーも継続性と平均得点や6thマン賞の受賞でほぼ確定的。

 SFのライスはモーニングとのトレードで加入し、3年間エースとして活躍しASに3年連続選出。

 PFのLJことラリー・ジョンソンはドライチとして入団後、僅か5年の在籍で移籍。その間にAS×2、オールNBA×1。

 Cのモーニングはシャックに次ぐドラ2で入団も僅か3年でトレード移籍。なんなのこの球団…。その間にAS×2。

 フューチャー・ブルズとはなんだったのかってくらい、早々に若手コアがいなくなったチームです。

 惜しくも選外の選手は、史上最小のNBA選手ながら10年在籍し、90年代の若きホーネッツをまとめたPGマグジー・ボーグス。

 2010年代前半に3年在籍し、オールNBA 3rdが1回のCアル・ジェファーソン。

 以上、特に言うことなし。今後、ラメロ、ミラー、マークら、今の若手が名を連ねることを願います。

 

 ということで、早くも第2弾でした。次は、Jazz,Kings,Knicks,Lakers,Magicの5チームです。

 読んでいただいた方、ありがとうございました!

NBA 各チームのAll Time Starting 5を考える会① 76ers,Bucks,Bulls,Cavaliers,Celtics編

 なつです。

 このブログでは初のシリーズ企画です。

 僕にとって唯一のインターネット活動であるTwitterでは、NBA界隈と無縁なので、誰も読まないことを前提に記事を書いていきます。

 

 と言うことで、タイトル通り、NBA各チームの歴代スターティング5(ベスト5)を選出していきます。

 基本ルールは以下の通り。

 

1.該当チームに在籍した期間のみを評価

 

2.ABA時代は評価から完全に除外(特にネッツやペイサーズで注意が必要)

 

3.成績、受賞歴、オールスター選出回数、在籍年数、時代背景を考慮し評価

 

4.基本的に(フロントコートにクラシックなセンター3人など)ポジションに無理がある選出は避けます。但し、余りにも他の候補に比べて該当選手たちの実績が飛び抜けている場合は、本来のポジション外で選出することがあります。

 

 以上を踏まえ、チーム名のアルファベット順に紹介していきます。

 

では早速行きましょう。

 

フィラデルフィア・セブンティシクサーズ(SYR,PHI)

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PG アレン・アイバーソン Allen Iverson

SG ハル・グリア Hal Greer

SF ジュリアス・アービング Julius Erving

PF ドルフ・シェイズ Dolph Schayes

C ウィルト・チェンバレン Wilt Chamberlain 

 

 NBA屈指の歴史を誇る76ersの歴代ベスト5は個人的にはこれです。とりあえず、各選手の説明を軽く。

 言わずと知れた大人気選手、史上最小の得点王、AIことアイバーソン。PHI在籍期間にMVP×1、新人王、オールNBA×7(1st×3)、AS×7、得点王×4、スティール王×3。文句なしの実績です。なお歴代ランキング等では専らメインポジションはSGですが、ハル・グリア選出の兼ね合いで、決して経験の浅くないPGとしています。

 次に往年の名選手ハル・グリア。フィラデルフィア移転前のシラキュース時代である1958-59シーズンから72-73シーズンまで、生え抜き一筋15シーズンを76ersで過ごし、その間、オールNBA×7(いずれも2nd)、AS×10。67年の優勝にも貢献。

 SFは球団史上最高選手として広く知られるDr.J。ABAでプレーした期間が長く、NBA入りしたのは26歳の76-77シーズン。そこから、86-87シーズンまで11年PHIだけでプレー。MVP×1、オールNBA×7(1st×5)、AS×11(毎年選出)当時リーグで最も人気だった選手であり、83年にはモーゼス・マローンとのMVPコンビで優勝。文句なしです。

 PFはドルフ・シェイズ。49-50シーズンから63-64シーズン途中まで14シーズンとちょっとを、76ers(最後の24試合以外はシラキュース)一筋で過ごした名選手。オールNBA×12(1st×6)、AS×12と圧巻の受賞歴。51年にリバウンド王、55年には優勝も経験。時代的にFG%が低く、通算38%であったり、当時のリーグ自体のレベルがまだ低かったり(何せビル・ラッセルより更に前の選手です)と、後述する惜しくも選外となった選手と比較し、一番議論できる枠かなと思います。

 Cはご存知ウィルト・チェンバレン。100得点の男ですね。100得点したのはウォリアーズ時代ですが。彼はこのリストの中ではぶっちぎりに在籍年数が短く、3年半程度。しかし、その間にMVP3回、オールNBA×4(1st×3)、得点王×2、リバウンド王×3、アシスト王×1。そして、何より67年には自身のキャリアイヤーと言える1年を過ごし、チームプレイに目覚め、ハル・グリアらと共にビル・ラッセルのセルティックスを撃破して優勝を果たしています。彼の完成形は、間違いなくこの年です。

 

 で、惜しくも選外となった選手をザッと紹介すると、PFのチャールズ・バークレー、Cのモーゼス・マローン、そしてジョエル・エンビード

 バークレーは76ersで過ごした8シーズンでオールNBA×7(1st×4)と素晴らしい活躍。時代も鑑みるとシェイズと入れ替え可能という印象です。

 マローンは4年と、チェンバレンと同じく短い在籍期間で、83年の優勝及びFMVP、MVP×1、オールNBA×3(1st×2)と支配的な活躍を見せました。現状76ers史上最後のFMVPですし、時代的にも高く評価したいところはありつつ、同じ短い在籍期間なら、より支配力の高いチェンバレンを優先したい気持ちがあります。PFの枠に捩じ込むのも一手ではあります。本職ポジションを優先したいというルールですが、それを踏まえた上でバークレーと比較しても遜色ないと感じますね。

 で、最後にエンビードですが、在籍年数こそ最も長く実働8年、受賞歴もMVP×1、オールNBA×5(1st×1)、オールディフェンシブ×3、得点王×2と素晴らしいですが、やはり怪我とプレーオフ。この2点に尽きます。今後、エンビードが長くプレーすることで在籍年数を評価し、76ers史上最高のCになる可能性はありますが、2024年現在、彼を強く推すには物足りない印象です。

 

ミルウォーキー・バックス(MIL)

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PG シドニー・モンクリーフ Sidney Moncrief

SG レイ・アレン Ray Allen 

SF クリス・ミドルトン Khris Middleton

PF ヤニス・アデトクンボ Giannis Antetokoumpo

C カリーム・アブドゥル・ジャバー Kareem Abdul-Jabbar

 

↑こいつら、やたらスペルめんどいのなんなん?

 

 こちらもかなり歴史の長いMIL。先ほどの紹介で長々書き過ぎたので、説明不要のPFとCについては説明省きます。

 PGのモンクリーフはジャバー移籍から数年後の79-80シーズンに入団し、その後11年のキャリアのうち10シーズンをMIL一筋で過ごした選手。オールNBA×5(1st×1)、AS×5に加え、オールディフェンシブ×5(1st×4)、ガードながらDPOYを二度も受賞している守備の名手です。

 SGのレイ・アレンも説明不要でしょう。MILにはキャリア最初の6シーズン半在籍し、2000-01シーズンにはチームをECFに導くなどエースとして活躍。在籍期間中オールNBA×1、AS×3。

 SFのミドルトンはヤニスの相棒として長年活躍する現役選手。AS×3に加え、21年の優勝は記憶に新しいでしょう。

 

 惜しくも選外となった選手ですが、まずはThe Big Oことオスカー・ロバートソン。元祖Mr.トリプルダブルと呼ばれる名選手は、キャリア晩年の70-71シーズンにMILに移籍し、その年にキャリア2年目のジャバーと共に優勝。その後も3年在籍し、4年でオールNBA×1、AS×3と有終の美を飾りました。

 多くのメディアでも彼が歴代ベスト5に選出されていますし、引退年の74年にもチームはファイナルに進出し、ハブリチェック時代のBOSをGAME 7まで追い込んでいたりと、若きジャバーにとって素晴らしい相棒であったことは間違いありません。ただ貢献年数を考えてPGはモンクリーフを優先し、受賞歴に大差のない以上、ポジションバランス的にアレンを選出したいため、外しました。

 が、書いてて「キャリア晩年って言っても4年で結構頑張ってね?」と思い始めたので、PGロバートソン、SGモンクリーフもアリです。

 で、多分一番議論できるSF。候補の1人目は、69-70シーズンにジャバーと同期入団で、71年にはジャバー、ロバートソンに次ぐ3番目の得点源として優勝に貢献したボブ・ダンドリッジ。9シーズンでAS×3。

 2人目の候補は77-78シーズンから83-84シーズンまで7年プレーしたマーケス・ジョンソン。オールNBA×3(1st×1)、AS×4と、受賞歴では他2人より一回り上、特に1stチームの受賞は大きいです。80年前後の強豪バックスにとっては不可欠な存在だったでしょう。

 が、80年代に入るとフロントコートにバードとかいう奴を代表する化け物が闊歩するようになり、突出していた期間が短いこと、ミドルトンが現時点で11年と長くプレーし、優勝も果たしていることから、今回はミドルトンを選出しました。

 

シカゴ・ブルズ(CHI)

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PG デリック・ローズ Derrick Rose

SG マイケル・ジョーダン Michael Jordan 

SF スコッティ・ピッペン Scottie Pippen

PF デニス・ロッドマン Dennis Rodman

C アーティス・ギルモア Artis Gilmore

 

1〜4番について説明いる?

いらないよね。4番以外多分議論の余地ないし。(ローズの稼働年数の短さは懸念点だが)

で、ギルモアは70年代後半と88年にちょっとの6シーズン半をCHIで過ごし、AS×4、オールディフェンシブ×1のC。全盛期をABAで過ごしたこともあり、受賞歴は控えめ。

 他の候補としてはジョアキム・ノアがいますが、こちらは在籍年数の割に全盛期が短めなので。とはいえ、5年程度はあるので十分に入れ替え可能だと思います。

 で、最大の問題がPFなんですが、二度目のスリーピートに貢献したロッドマンは、この3年しか在籍していないんですよね…。

 とは言え、他に惜しくも選外となった選手というとジェリー・スローン、チェット・ウォーカーあたりで、ポジション的にPFは務まらないし、ピッペンを無理矢理PFにしてまで捩じ込むかと言われると微妙。ということで、ロッドマンになりました。誰か忘れてたら、教えてください。

 

クリーブランド・キャバリアーズ(CLE)

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PG マーク・プライス Mark Price

SG カイリー・アービング Kyrie Irving

SF レブロン・ジェームズ LeBron James

PF ケビン・ラブ Kevin Love

C ブラッド・ドアティ Brad Daugherty

 

 SGとSFはもはや説明いらないでしょう。

特にレブロンなんて今更語るべくもないです。

 PGのプライスは、レブロンが登場するまでのCLE史上最高の選手。オールNBA×4(1st×1)、AS×4。90年代のキャブズを支えました。

 一旦ラブを飛ばしてドアティもプライス時代のチームを支えたCで、怪我によって僅か8年で引退に追い込まれるものの、その間にAS×5と確かな存在感を残しました。

 最後に一度飛ばしたラブについてなんですが、一部メディアではプライスやドアティと共に活躍したラリー・ナンスJr.の親父さんがPFとして選出されているんですよね。まぁ、CLE在籍6年半でAS×2、ディフェンシブ×3なので妥当ではあります。しかし、個人的には2016年の優勝というデカすぎる実績を無視できず、僅かながら在籍年数が長く、ASにも2回選出されているラブを優先しました。

 

ボストン・セルティックス(BOS)

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PG ボブ・クージー Bob Cousy

SG ジョン・ハブリチェック John Havlicek 

SF ラリー・バード Larry Bird

PF ケビン・マクヘイル Kevin Mchale

C ビル・ラッセル Bill Russell

 

 歴代最多の優勝回数を誇る名門であり、幾度となく強力なチームを築いただけあって、殿堂入り選手だけでロスターが組めるほど。

 その中にあって、選出から漏れた選手は多く、70年代にMVPを受賞したコーエンス、80年代黄金期を支えたパリッシュ、2008年BIG 3のピアース、KG、アレン、そして彼らの少し後に全盛期を迎えたロンドなど、他のチームであれば間違いなく選出される選手ばかり。

 しかし、個人的には、この5人で確定なのかなと思います。

 NBA初期を代表するPGで、ラッセルの黄金期前半を支えたオールNBA 1st×10のクージー

 ラッセルの黄金期後半をリーディングスコアラーとして支え、彼の引退後も二度の優勝を果たすハブリチェック。なお本来のポジションはSFです。

 そのSFには歴代No.2のSFであり、3回の優勝、3年連続MVP等、偉業を語りだすとキリがないラリー・バード。

 PFには、バードに次ぐ2番手として黄金期を築いたマクヘイル。

 そしてCには今後も決して破られないであろう、11度の優勝という記録を持つレジェンド中のレジェンド、ビル・ラッセル。個人的にはBOS史上最高の選手です。

 仮にBOSのAll Time 2ndチームを組んだら、結構なチームのAll Time Starting 5に勝てそうです。そのくらい層が厚い。

 

 以上、今回の5チームでした。

 初めての試みで結構グダついた感はありますが、ご容赦ください。長過ぎるようであれば、次からはチーム数減らしますかね。

 あと普通に忘れてる選手いそうで怖いので、その辺もご容赦くださると幸いです。

 ではでは、次のClippers,Grizzlies,Hawks,Heat,Hornetsでまた会いましょう。(このアルファベット順も間違えてそうなんだよなぁ…)

 

最近、ようやく新海誠作品を見るようになったんすよ

 僕らはとかく、「気づかない間に失っていた純情」というものをありがたがる。あの頃の純粋な気持ちを、まっすぐな祈りを、遠く眩しいソレを目を細めて尊ぶ。

 が、実際のところ、恐らく僕がそんなに美しく純粋なガキだったことなどないはずだ。新海誠作品の冒頭で、在りし日を偲ぶ孤独な主人公に、思いを重ねられるほどの喪失など経験していないはずなのだ。

 いや、しかし或いは、だ。或いは、純粋だとか純情だとかいう言葉たちが、即ち「ガキ」を意味するなら、僕はまだ純情なのかもしれない。きっと僕は「ガキ」のままなのだ。

 今もどこか、心の片隅に少年時代の初恋を美しい額に入れて飾っていて、もう一度そんな美しい道のりを歩けたならと夢見ている。たとえ、年齢に不相応な夢が叶わずとも、それでも僕は後生大事に、その額に入れた夢を眺め続けるのだろう。なんとも気色悪い、見た目はおっさん、中身は夢見る「ガキ」のクリーチャーが爆誕した。

 だからまぁ、実のところ、僕は、いや彼の作品に魅せられる者たちは、作品の中の「かつて少年だった者たち」の喪失に共感しているのではないかもしれない。寧ろ、自分が未だ喪失していない、普段は心の隅に置いている幼稚な欲求を再確認し、その心地よさに浸っているんだろう。と、僕は勝手にそう結論づけることにした。

 

そんなわけで、「雲のむこう、約束の場所」を見てきた感じです。

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