2020年6月19日。東京ドーム。
日本全国の野球ファンが待ちに待った開幕戦だ。対戦カードは阪神対巨人、所謂「伝統の一戦」。過密日程である今季の行方を占う大事な一戦だけに両軍勝利への執念は拮抗していた。
菅野と西という両軍エースが火花を散らす試合は予想外の形で動く。3回表に阪神先発の西勇輝が「師」である菅野からプロ初となる先制ソロホームランを放った。
それだけではない。4回裏にナカジの内野安打の間に1点を返されると、5回の表にすぐさま反撃。女房役の梅野が二塁打を放ち、続く西はまたしても菅野を捉えて二者連続となる二塁打を放つ。
これで2-1。その後2回をピシャリと抑えて7回裏。残るイニングは3つ。
ここで阪神監督は奇策を仕掛ける。
(7回1点差、うちのへなちょこ打線ではもう点は取れん。ここは逃げ切りたいから勝ちパ投入の場面や)
矢野監督は叫んだ。
矢野「ピッチャー交代!うーん、スグル!www」
なんと好投の西に代わり、矢野が告げた名前は最近まで故障離脱していた昨年防御率1.01のセットアッパー候補岩崎優。復帰後の実戦登板の機会が少なく不安要素は多い。
しかし矢野は迷わない。
(去年勝ちパやったし、調整中でもスグルやからいけるやろwww)
そんな安易な考えのもと、岩崎を送り出した矢野だったが結果は案の定。
カキーン!
「ファっ!?」
無事逆転2ランを浴び、初戦から手痛い逆転負け。せっかくの苦手な巨人に勝つ機会をみすみす逃しましたとさ。あ ほ く さ。